2017 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of host factors cleaved by HIV protease for elucidating the mechanism of innate immune evasion.
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16H07105
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
松永 智子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20779342)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | HIV / プロテアーゼ / 自然免疫 / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は宿主個体に慢性感染し、数年または数十年をかけて後天性免疫不全症候群(AIDS)を引き起こす。HIVが感染細胞から排除されない要因の一つとして、ウイルス感染に伴う自然免疫応答が十分に誘導されないことが挙られる。HIV由来のプロテアーゼ(HIV-PR)は、HIV粒子内でHIV Gagタンパク質を切断することで感染性粒子の産生に寄与している。近年、HIV-PRが感染細胞内で様々な宿主因子を切断することで、自身の複製を促進することが報告されている。本研究課題では、HIV-PRが宿主自然免疫関連因子を切断することで、自然免疫応答の活性化を阻止するという仮説のもと研究を遂行した。コムギ無細胞系を活用したin vitro 基質切断アッセイ系を用いて、23種類の自然免疫関連因子の中から4種類の因子がHIV-PRによって切断されることを見出した。候補因子の中に、プログラム細胞死の一つであるピロトーシスに関与するカスパーゼ1(CASP1)が含まれており、CASP1とHIV-PRの相互作用する可能性が示唆された。培養細胞にHIV-PRとCASP1の共発現させたところ、HIV-PR量依存的にCASP1が切断され、細胞障害マーカーである乳酸脱水素酵素(LDH)の細胞上清への遊離が確認された。これら現象は、HIV-PRの阻害剤であるダルナビル(DRV)を加えることで抑制されることから、HIV-PRの酵素活性依存的であることが示唆された。また、HIV-PRによるCASP1の切断部位の同定を試みたところ、in vitro 切断系では少なくとも2か所以上で切断される可能性が示された。本研究では、HIV-PRにより切断される宿主自然免疫関連因子を複数同定することができ、特にCASP1のHIV-PRの切断がHIV感染による細胞障害性に関与することが示唆された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)