2016 Fiscal Year Annual Research Report
人形浄瑠璃文楽の近世後期上演記録データベース更新に係る追補的資料研究
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16H07120
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
神津 武男 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 客員研究員 (10424821)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 浄瑠璃本 / 日本古典文学 / 書誌学 / データベース / 人形浄瑠璃文楽 / 日本近世演劇 / 出版(出板) / 上演記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】全体構想は、我が国が世界に誇る伝統演劇「人形浄瑠璃文楽(にんぎょうじょうるりぶんらく)」の、伝統の実体に迫り、以て当該演劇の一層の隆盛を大目標とするものである。 本研究課題はその基礎となるべく、専門家(人形浄瑠璃文楽の演技者や劇場関係者)や日本文学研究者への学術的貢献はもとより、当該演劇に関心をもつ日本国民一般ひいては外国人研究者等へ対して、正確で信頼のおける興行・上演記録へのアクセスを可能にすることを通じて、大方の関心と叡智とを当該分野へ集めることを所期の目的とするものである。 近年、新たに人形浄瑠璃関係史料の所在を把握した機関などがあり、あるいは応募者のその後の研究の進展によって、再調査の必要が判明した機関もある。本研究課題では、これらの人形浄瑠璃関係史料の所在調査・書誌研究を進めて、〈「浄瑠璃本」書誌データベース〉〈「人形浄瑠璃番付」書誌データベース〉の、ふたつのデータベースについて一層の充実と、精度を向上させたい。これまでに蓄積する情報との校合を進め、人形浄瑠璃文楽の資料学的研究をより精緻な段階へと深化させることを目指すものである。 【2016年度の研究実績概要】国外1回、国内12回の調査旅行を実施した。調査機関数を挙げて報告とする。浄瑠璃本については大阪3、滋賀1、兵庫1、海外1の、4機関2個人の計6箇所。番付については大阪1、愛知1の計2個人。また関連する史料として人形浄瑠璃関係者の墓碑についても調査した。東京1、滋賀1、京都2、大阪5の計9箇所。 これまで所在すら知られてこなかった個人蔵書家の協力が得られることとなり、当初の予定に変え、その整理を優先的に進めた。基礎的な整理を終えて、通し本489冊という大規模なコレクションであることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【1】2016年4月の申請予算から二割ほど減額されての採択であったため、申請時に予定していた事業内容を縮減して進めなければならなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時に予定しなかった大規模なコレクションの出現や、申請額から二割削減されての採択であったため、調査機関数を絞り込むなどして、より効率的な調査を進めて行きたい。第一に未調査機関、第二に所蔵点数の多い機関を優先することとして、第三に近隣の訪問先と同一の旅程で訪問するなどの工夫によって、経済的な効率化も考慮して、少しでも多くの資料を調査することの出来るように配慮していきたい。
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Research Products
(3 results)