2016 Fiscal Year Annual Research Report
Operational Analysis of Scheduled Flight for Efficient Air Traffic System
Project/Area Number |
16H07143
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
原田 明徳 高知工科大学, システム工学群, 講師 (70785112)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 航空交通管理 / 実運航データ / 運航効率向上 / 軌道ベース運用 / 4次元飛行軌道最適化 / 到着管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の将来の航空交通システムのあるべき姿を追求すべく長期ビジョンとして掲げられたCARATS(Collaborative Actions for Renovation of Air Traffic Systems)のもと,国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所電子航法研究所が中心となり複数の大学や企業が研究開発を進めている.本研究の目的は高効率航空交通システム実現のため国内主要空港を発着する定期便の飛行軌跡を軌道最適化の観点から分析し消費燃料および飛行時間を評価することで運航効率向上の可能性を示すこと,および国内のすべての空域について混雑や他機との干渉・空域制限等により効率が低下している部分を特定することで現行運用方式の改善につながる新たな管理方式を提案することである. 平成28年度は国内定期便の航跡データ(CARATS Open Data 2012)を用いて国内線主要4機種による1087便に軌道最適化を適用,実際の航跡から推定した燃料消費量と飛行時間から効率の統計評価を行った結果,平均して約230[kg]の燃料が節約可能であることが分かった.統計解析の結果を羽田または成田空港への出発と到着便およびそれ以外に分けて図示したところ両空港への到着便において効率低下が顕著である一方,両空港からの出発便の効率はほとんど影響を受けていないことが明らかとなった.また,効率が低下するケースとして,管制からの迂回指示がある場合意外にも,長い路線で風の影響が出る場合,目的空港へ早く到着するために低高度を高速で飛行する場合などを抽出することができた. また,多数機の正確な位置情報が得られる手段としてADS-Bシステムに着目し,旅客便のキャビン内でGPSと同時計測することにより,ADS-Bにより得られるデータの精度検証を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は国土交通省航空局が公開している定期便の航跡データ(CARATS Open Data 2012)より国内線1日分の約1/3に該当する1087便(主要4機種)を抽出し軌道最適化を適用した.実際の航跡から推定した燃料消費量と飛行時間について比較することで効率の統計的な評価を行った.高効率航空交通システムの実現に向け,1.到着管理を導入した軌道最適化,2.最適軌道の相互干渉分析,3.干渉を考慮した最適軌道の再生成,4.便益の統計評価という当初の計画に対し,1については到着機の間隔付けと到着時刻の指定を組み合わせ最適化問題として動的計画法で解く手法を確立しミュンヘン国際空港にて記録した到着機の航跡データに適用した.その他の項目についてもすでに手法は確立させており,より多くのデータに対し解析対象日や季節などを変更しながらケーススタディを行うのみとなっている.得られた研究成果について国内学会で1件,国際会議で3件発表した.また,国際会議で発表したもののうち1件を学術論文として出版することができた.他の発表についても現在投稿に向け最終調整を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究におけるCARATS Open Dataを使った大規模解析や,今後より発展させるべき到着管理システムに関する知見を広げるため,今年度より他大学との共同研究を開始する予定である.現在,契約の締結に向け双方で準備を進めている.
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Research Products
(8 results)