2016 Fiscal Year Annual Research Report
障害のあるシリア難民を対象とした生活実態調査と障害者難民支援モデルの構築
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16H07153
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
石井 清志 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 助教 (40783501)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | シリア / 難民 / トルコ / 障がい者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はシリア難民のなかでも障がいを持つ難民について、避難先のトルコにおいて直面している課題を明らかにし、難民支援の中の障がい者支援について考察することを目的とする。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2011年からのシリア紛争により約400万人のシリア難民が発生したといわれており、シリア難民の問題は周辺国だけの問題としてではなく、国際問題となってた。昨今でもシリア紛争の先行きは不透明であり多くの難民が隣国での生活を余儀なくされている。 WHOの統計によると、人口の10%~15%が障がい者であるといわれているところ、難民にはおよそ40万~60万人の障がい者が含まれていることになる。しかし、「社会的弱者の中の弱者」である障がいのある難民への支援の優先度は低く、適切な支援を受けることが出来ていない事が容易に推測される。かかる状況下、本研究ではシリア国からトルコ国シャンルウルファ県に避難している難民のうち、障がいのある難民と支援団体等への聞き取り調査を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は平成28年(2016年)8月に採択された。平成28年度は文献研究、質問票の作成、現地調査、現地調査結果の取りまとめを予定していたが、ほぼ予定通りに進捗している。2016年12月にはトルコの首都にあるイスタンブール空港にてテロ事件が発生するなど、現地の治安状況が一時悪化したが、当初予定していた調査地にて現地調査を実施した。当初は難民キャンプでのアンケートを想定していたが、難民キャンプ内への立ち入りは厳しく制限されていた。そのため、方法をアンケートから聞き取りに変更し、現地協力団体を通じて紹介された難民のうち、本研究への同意をえられた人を対象に聞き取り調査を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度(2017年4月~2018年3月)は現地調査(2回目)と文献研究の取りまとめ、研究成果の取りまとめを行う予定である。ただし、現地調査については現地の治安状況に留意しながら、実施の可否および実施方法について十分に検討することとする。また、平成28年度の研究成果を学会等にて積極艇に発表する予定である。
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