2017 Fiscal Year Annual Research Report
Influence of women's income generation on intra-household decision making: Rethinking income generating activities for women in the developing countries
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16H07155
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
甲斐田 きよみ 文京学院大学, 外国語学部, 助教 (20783608)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | ジェンダー / 世帯内意思決定 / 東北タイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、結婚後に妻方居住し、妻が実家とのネットワークを強く持ち、土地を相続する伝統がある東北タイの農村において、女性が収入を獲得することが世帯内の意思決定にどのように影響するか明らかにすることを目的としている。 平成29年度は前年度に引き続き、タイ東北部のウドンタニ県クチャップ郡の村落において同じ対象者に聞き取り調査を行った。調査対象者は約20年前にグループで織物の製作・販売をしていた現在50歳代前後の女性とその夫で、20年前と比べた現在の生活、経済活動や結婚・離婚に対する認識が明らかになった。当時はグループ活動を夫に制限され、夫の意見に従い、離婚や未婚に対して社会的評価は低いと認識していた。しかし現在では、結婚・離婚・再婚・未婚に関するジェンダー規範や、女性が村外に移動したり移民労働に携わったりすることへのネガティブな評価を女性たちは実感していない。バイクや携帯電話が普及したことで情報や人的ネットワークが築きやすくなり、女性が収入を得る機会が増し、パートナーと出会うことが容易になった。妻方居住の伝統があり、以前は夫は妻の実家の畑仕事を手伝っていたが、現在は移民労働による収入を送金し、畑仕事は人を雇って行う。男性が主に従事していた力仕事は、現金で人を雇うことで代替できると認識されている。50歳代になった夫妻双方は、従来の性別役割が変化しジェンダー規範が薄れてきたと認識している。世帯内意思決定に関しては、畑の管理や子どもの移民労働先や進学先が主に話し合う事項で、夫妻でよく話し合い、「夫に従う」「家長である夫が決める」という認識は夫妻双方に見られない。多くの世帯が世帯員の収入を一括して妻が管理し、食料など世帯に必要な買い物も妻が行っていた。調査対象者が20歳代~30歳代だった頃に比べて、収入で代替可能な役割・活動が増え、収入を獲得する世帯員の影響力が大きいことが推測される。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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