2016 Fiscal Year Annual Research Report
Cl添加による希土類系高温超伝導体薄膜の結晶成長過程の解明と機能改善
Project/Area Number |
16H07161
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
元木 貴則 青山学院大学, 理工学部, 助手 (00781113)
|
Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
|
Keywords | 高温超伝導体 / 薄膜材料 / 塩素添加 / フッ素フリーMOD法 / 配向促進 / 酸塩化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
低コストで環境負荷が小さく、高速で成膜が可能な手法であるフッ素フリーMOD法を用いて、高特性な希土類系高温超伝導(RE123)薄膜の作製指針を確立した。具体的な成果は以下のとおりである。 ①原料への塩素添加によって、RE123超伝導層の配向性が大きく改善することを示し、透過電子顕微鏡等を用いた組織観察を行うことでその配向特性改善機構の一端を明らかにした。塩素添加で生成する酸塩化物(Ba2342)が配向改善に核となる役割を果たしていることを結晶構造と実際の組織観察の両面から解明し、これまでにない新たな薄膜材料全般の配向制御手法となりうることを示した。今後このような塩素添加手法を用いて、超電導薄膜材料のさらなる機能開拓を押し進めたい。 ②希土類元素(RE)としてイットリウム(Y)およびガドリニウム(Gd)をそれぞれ用いて、どちらも塩素添加を行うことで高度に配向制御されたRE123薄膜を作製することに成功した。全行程が非真空プロセスの溶液法を用いても、高速・低コストで高特性な超伝導薄膜の作製が可能であることを示した。 ③実用化を視野に入れた長尺化可能な金属基板を用いても、この塩素添加技術が極めて有効であることを示した。酸塩化物Ba2342を薄膜中に導入することによって、配向膜の得られる成膜条件が大きく低温側に拡大することを明らかにし、フッ素フリーMOD法を用いて液体窒素温度で100Aを超える電流を通電可能な薄膜材料の作製に成功した。 以上の内容について、学術論文投稿、国内学会、国際学会等での発表を行った。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|