2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H07163
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
林 明子 大妻女子大学, 家政学部, 講師 (50785590)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 子どもの貧困 / 若者の移行 / 生活保護世帯 / 家族 / 貧困 / 世代的再生産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①生活保護世帯の若者がいかに学校から仕事へと移行するのか、②移行する前と後で、彼らと家族との関係性はどのように変化するのかを明らかにすることである。貧困の世代的再生産を考える上では、彼らが社会的自立を果たす様相をとらえることが必要であるため、本研究では、生活保護世帯の若者の家族関係に着目しながら、彼らが社会に出るプロセスを明らかにする。 今年度は、研究計画に基づき、子どもの貧困、生活保護制度、子どもと家族の関係性、若者の移行に関する調査研究の文献収集、レビューを行った。子どもの貧困に関連する諸制度について整理しながら、貧困世帯や生活保護世帯の子ども・若者の家族との関係性について、検討を行ったところ、子どもの家庭内役割や親子関係、あるいはきょうだいとの関係に着目し長期的に調査分析した文献はほぼないという課題が確認された。その中で本研究では、生活保護世帯の若者を対象としたインタビュー調査を実施し、これまで行ってきたインタビューデータと比較を行い、家族に対する語りや家族関係について、変化していたことを見出した。学校を卒業、あるいは退学したのち、仕事に就くまでのプロセスのなかで、家族はキーパーソンとなっており、このことに対する彼らの捉え方にも変化がみられた。来年度以降は、今年度の研究成果をもとに、引き続きインタビュー調査を行い、学会発表と論文執筆を行うことで成果発信をしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、(1)子どもの貧困、生活保護制度、子どもと家族の関係性、若者の移行に関する調査研究の文献収集およびレビュー、(2)生活保護世帯に育った若者を対象としたインタビュー調査、また(3)これまでのインタビューデータとの比較、(4)ケースワーカーを対象としたインタビュー調査、を予定していた。その中で、(1)~(3)は順調に進んでおり、(4)についても予備調査を含め準備が進んでいる。なお、生活保護世帯の子どもを対象とした学習支援教室のボランティアスタッフにも調査協力を依頼し、さらなる分析を行うこととしている。今年度は、昨年度のデータ収集に基づき、分析を進め、知見をまとめて学会発表、論文執筆を行う予定である。研究計画に照らし、こうした見通しがついていることから、現在までの進捗状況として、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、文献レビューの整理、検討について成果発信する。またインタビュー調査で得られた知見については、各学会にて発表および論文執筆を行う予定である。子ども時代と若者時代において、彼らの家族や家庭生活についての語りがどのように変化したのかを提示し、そのことがどのように彼らの自立にかかわるのかを明らかにする予定である。なお、仮にケースワーカーとの日程調整が難しい場合には、生活支援課の他スタッフや生活保護世帯の子ども・若者を対象とした学習支援教室のスタッフにもインタビュー調査を実施し、本研究の目的を達するよう対応を講ずる。学習支援教室については、もともと中高生を対象としたものであるが、その後も継続して若者とのかかわりがあるため、本研究にふさわしい調査協力者と考えられる。
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