2017 Fiscal Year Annual Research Report
Friction in the labor market and welfare
Project/Area Number |
16H07165
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
柏木 昌成 学習院大学, 国際社会科学部, 准教授 (20780836)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | マクロ経済学 / 労働市場 / サーチ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では労働市場におけるサーチ摩擦に伴う経済厚生の損失についての分析を行った。平成29年度は、前年度行った労働市場のサーチ・マッチング・モデルによるマクロ定量分析の基本文献の枠組みでの分析を拡張し、企業が労働者を雇用する際に固定費用が発生するケースおよび労働者と雇用者のマッチング関数が規模に関して収穫逓増のケースを検討した。なお、どちらの拡張も本研究の問題意識とは別の文脈で労働市場のサーチ・マッチング・モデルを用いた先行研究で提案されたものであるが、経済厚生損失についての分析に応用し、また平成28年度の基本的な枠組みでの分析結果と比較することで研究をより深めることができた。 分析に際しては、労働者の賃金交渉力のパラメータを変化させたときにどの程度経済厚生が低下するかを計算するという平成28年度に採用した手法を踏襲した。分析を通じ、固定費用や収穫逓増のマッチング関数がモデルに組み込まれている場合では経済厚生損失の程度が大きくなる傾向にあるという結果が得られた。これらの拡張を行う前の基本モデルでは損失が賃金交渉力のパラメータの広い範囲で比較的軽微であったことを踏まえ、得られた結果について理論的・直観的にどのように説明できるかを考察した。 本研究課題の成果をまとめた論文("The Welfare Consequences of a Quantitative Search and Matching Approach to the Labor Market”)について、国内外の研究会や学会で報告を行った。そこで得られたコメントや査読者の意見をもとに改訂を進め、学術誌への掲載が受理された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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