2017 Fiscal Year Annual Research Report
Heterogeneous Beliefs and Management Control System
Project/Area Number |
16H07173
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
木村 太一 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 助教 (10779771)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | マネジメント・コントロール / 楽観性 / 信念の異質性 / 分析的会計研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度では、組織成員間の信念の異質性に関する理論研究のレビューを実施し,以下にマネジメント・コントロール領域の数理モデルに落とし込むかを検討した。本年度においても,引き続き組織成員間の信念の異質性をいかにモデル化し,マネジメント・コントロール研究の文脈でいかに解釈するかを検討した。 プリンシパル1人,エージェント1人のシンプルなモラル・ハザードのモデル(線形報酬,負の指数関数型の効用関数,誤差項の正規分布を仮定)において,エージェントの生産性がプリンシパルにもエージェントにも観察不可能であるケースを考えた。このとき,プリンシパルとエージェントはそれぞれ独立に生産性に関する主観的な信念を形成するが,その信念は必ずしも一致しない。こうしたある変数についての主観的信念がプレイヤー間でずれることを指して,信念の異質性と捉えている。このとき,プリンシパルの信念に較べてエージェントの信念の方が大きければエージェントは(自身の)生産性について楽観的であり,反対にエージェントの信念の方が小さければ悲観的であると解釈することができる。 分析の結果,プリンシパルは,エージェントがより楽観的である場合に,より高いインセンティブ・レートを提示し,エージェントはその高いインセンティブ・レートに反応してより高い水準の努力を投下することがわかった。一方で,エージェントがプリンシパルと比べて楽観的すぎる場合には,プリンシパルがエージェントの楽観的な主観的信念を受け入れられず,契約を提示しなくなる条件が存在することが明らかとなった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)