2016 Fiscal Year Annual Research Report
合金固液相変化を解析する指向性エネルギー堆積法シミュレータの開発
Project/Area Number |
16H07174
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小池 綾 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (70781417)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 指向性エネルギー堆積法 / 付加加工 / シミュレーション / インコネル625 / 粒子法 / 熱伝導 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属材料の3次元造形に適した指向性エネルギー堆積法(DED: Direct Energy Deposition)の時間領域シミュレータを開発するにあたり,本研究では熱伝導,レーザー,キャリアガス,固液相変化といったDEDプロセスに含まれる物理現象を解析するアルゴリズムを個々に作成し,これらのモジュールを統合する.開発したDED時間領域シミュレータを用いて,造形物内部の空孔や残留応力の発生メカニズムを明らかにし,造形物の形状精度向上も評価に含め造形条件の最適化を行う. 本年度の成果としては,熱伝導モジュールとレーザーモジュールの開発に注力し,両者を統合した加工点温度予測アルゴリズムを構築した.DEDにおける造形精度低下の主要因として,加工点の溶融金属の表面張力が過加熱によって低下すること挙げられる.開発した加工点温度予測アルゴリズムは造形条件から造形物内部の温度分布を時間領域で解析できる.本研究ではこれを逆算的に利用することで,加工点の温度を一定に保つレーザー出力計算法を提案した.算出したレーザー出力をDED造形に利用した結果,高層造形時の過加熱の抑制に成功し,造形物の形状誤差が大幅に低減することが実験的に明らかとなった.また,造形条件ごとの空孔発生率の評価実験は完了しており,高レーザー出力,少材料粉末供給といった加工点温度を安定して高められる造形条件が空孔の発生を抑制できることを示している.これらの研究成果をもとに,3回の国際会議発表と4回の国内会議発表を行い,国際誌への論文投稿を行っている.現在,粒子法に基づく流体解析法の開発に着手し,温度に応じた粘性,表面張力特性を粒子に与えることで溶融金属の流動解析法の確立を目指している.今後の予定としては,溶融金属の流動解析を開発した加工点温度予測アルゴリズムに統合し,造形物内部の空孔発生メカニズムを理論的に明らかにする.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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