2016 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス制御機構から見た2型糖尿病の予防・改善に対する運動の効果
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16H07181
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
都築 孝允 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 博士研究員 (20780068)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | インスリン抵抗性 / 運動 / レドックス制御 / Nrf2 / 酸化ストレス / NADPHオキシダーゼ / キサンチンオキシダーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、運動がインスリン抵抗性を改善する分子メカニズムをレドックス制御機構に着目して明らかにすることである。そこで、本年度は正常マウスとインスリン抵抗性マウスにおける運動後の酸化ストレス指標の変化を検討した。また、活性酸素種の発生源であるNADPHオキシダーゼおよびキサンチンオキシダーゼの阻害剤投与後における運動後の酸化ストレス指標の変化についても検討した。 被験動物には4週齢の雄性C57BL6/Jマウスを用い、通常食または高脂肪食を8週間摂取させた。その後、NADPHオキシダーゼ阻害剤(Apocynin)またはキサンチンオキシダーゼ阻害剤(Allopurinol)を腹腔内に20mg/kg投与し、30分後に動物用トレッドミルを用いて60分間の一過性走運動を実施した。運動直後に血液および下肢骨格筋を採取し、生化学的分析を行った。 その結果、正常マウスでは運動直後に酸化ストレス指標であるd-ROMsが有意に増加したが、ApocyninおよびAllopurinolの投与により、d-ROMsの増加を一部抑制した。一方、高脂肪食摂取によるインスリン抵抗性マウスは、正常マウスと比較して安静状態においてd-ROMsが有意に高値を示したが、d-ROMsは運動後に有意な変化を示さなかった。また、2種類の阻害剤投与においてもd-ROMsに変化は認められなかった。これらの結果より、インスリン抵抗性状態では、運動後のレドックス制御に正常に機能していない可能性が示唆される。 また、骨格筋の生化学的分析については、細胞質と核を分画する方法を確立し、現在抗酸化関連タンパク質の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画はおおむね順調に進展しており、本年度の研究目的は十分に達成されていると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、今年度得られたサンプルについて、Nrf2のDNA-binding assayや遺伝子解析など、より詳細なメカニズムを検討する。また今年度と同様に、阻害剤を投与し運動負荷を行った後に、さらにインスリン刺激を加えインスリン感受性を評価する。
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Research Products
(4 results)