2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H07182
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
後藤 亜由美 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20780969)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | サルコペニア肥満 / 温熱刺激 / 骨格筋 / 老齢 / 糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコペニアと肥満の両方を併せ持つ状態である「サルコペニア肥満」が、生活習慣病や歩行障害の発症リスクを加速させるが、その原因やメカニズムは明らかではない。本研究では、サルコペニア肥満が生活習慣病などの発症リスクを増加させる原因ならび筋量減少や肥満に対する温熱刺激の有用性を解明することが目的である。本年度は、老齢マウスに高脂肪食を摂取させることでサルコペニア肥満モデルを作製し、温熱刺激がサルコペニア肥満の筋量減少や肥満に及ぼす影響を検討した。19ヵ月齢の雄性C57BL/6Jマウスを、1)対照群(n=10)、サルコペニア肥満群(n=12)、3)サルコペニア肥満+温熱刺激群(n=12)に分け、5ヵ月間飼育した。対照群には通常食(脂肪分10%カロリー比)、サルコペニア肥満群とサルコペニア肥満+温熱刺激群には高脂肪食(脂肪分60%カロリー比)を与えた。またサルコペニア肥満+温熱刺激群には、高脂肪食負荷2ヵ月後より温熱刺激(恒温恒湿装置にて40℃、40分、1回/週、3ヵ月)を実施した。各餌および水は自由摂取とし、体重および摂餌量・摂飲量は1週間に1回測定した。マウスが24ヵ月齢に到達した時点で、麻酔下にて下肢骨格筋(ヒラメ筋、足底筋、腓腹筋、大腿四頭筋、前脛骨筋、長趾伸筋)、白色脂肪組織、肝臓を摘出した。下肢骨格筋と白色脂肪組織において、サルコペニア肥満群とサルコペニア肥満+温熱刺激群に有意な変化は認められなかった。今後は温熱刺激がサルコペニア肥満の骨格筋細胞内シグナル(タンパク質合成・分解分子、骨格筋糖代謝関連分子)に及ぼす影響を明らかにし、温熱刺激がサルコペニア肥満に及ぼすより詳細なメカニズムについて検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は2年計画で実施され、平成28年度で1年目が終了した。本年度は当初2年目に実施予定であった温熱刺激がサルコペニア肥満に及ぼす影響についての実験に着手した。当初の仮説をとは異なる知見が得られつつあるものの、温熱刺激がサルコペニア肥満に及ぼす影響について検討することができた。そのためおおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本年度に得られた骨格筋サンプルを用いて、細胞内のタンパク質発現及び遺伝子発現の解析を実施し、温熱刺激がサルコペニア肥満に及ぼす影響について明確にしていく予定である。
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Research Products
(6 results)