2016 Fiscal Year Annual Research Report
幼児における骨格筋の形態的発育過程と体力や身体活動との関連について
Project/Area Number |
16H07183
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
トウ ホウウ 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 博士研究員 (30784392)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 発育発達 / 筋厚 / 皮脂厚 / 身体活動 / 体力テスト / 幼児 / 加速度計 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度では、幼児(3-4歳)を対象として全身各部位の筋厚及び皮脂厚の値を明らかにすることともに、これらと日常生活における身体活動(量および強度)との関係性を検討することを目的とした。 結果では、性差および年齢における二要因の分散分析の結果、運動能力については、握力、25m走、立ち幅跳び、長座体前屈に性差が認められ、25m走に年齢の主効果が認められた(p<0.05)。筋厚については、上腕全面、上腕前面尺骨および下腿前面に性差が認められ、上腕前面尺骨に年齢の主効果(p<0.05)が認められた。さらに、大腿前面に交互作用も認められた。また、日常における身体活動量では、歩数およびMVPAに年齢の主効果は認められたが(p<0.05)、性差の主効果や性、年齢の交互作用が認められなかった。さらに、男女別に筋厚と身体活動量との関係を検討した結果では、男児において、腹部、大腿後面筋厚では平日の歩数、中高強度活動時間、総活動時間との間に有意(p<0.05)な正の相関関係認められた。一方、女児においては、腹部筋厚で平日の歩数、総活動時間と休日の歩数、中高強度活動時間、総活動時間と有意(p<0.05)な正の相関関係があり、下腿後面筋厚は休日の歩数、中高強度活動時間及び総活動時間と有意(p<0.05)な正の相関関係にあった。 本研究では、幼児における各部位の筋厚・皮脂厚の特異性が認められた。幼児の筋厚では、男児が女児より、4歳児が3歳児より厚い傾向にあり、皮脂厚は女児が男児より、4歳児が3歳児よりも厚い傾向にあった。また、腹部や下肢の筋厚では、男女ともに活動時間が多いほど、厚い傾向にあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度では、中国の3歳から5歳まで約120名の幼児を対象に、骨格筋サイズ、体力テスト及び日常身体活動のデータを収集し、国内学会のみならず、国際学会にも研究成果を発表している。現在、原著論文として研究成果を発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度では、昨年測定を実施した3歳及び4歳の幼児を対象として、昨年と同様に測定(骨格筋のサイズ、体力テスト及び日常身体活動)を実施する。1年間で日常身体活動(量と強度)が増えた幼児では、筋厚や体力テストの結果の成長度合いが大きいのか、またこれらに筋厚の性差・部位差、または体力テストの種類の違いによる差異が認められるか否かについて明らかにするよう進めていく。さらに、これらの結果によって、成長に伴う骨格筋の形態や各種体力テストの推移変化を縦断的に明らかにする。また、日常身体活動(量及び強度)の変化がこれらに与える影響についても明らかとする。
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