2016 Fiscal Year Annual Research Report
The roles of ILC2 and basophils on the severity of allergic conjunctivitis
Project/Area Number |
16H07189
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
杉田 丈夫 順天堂大学, 医学部, 助手 (90622712)
|
Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
|
Keywords | アレルギー性結膜炎 / 自然免疫 / 獲得免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然免疫・獲得免疫の恊働で発症するパパイン/ブタクサ慢性アレルギー性結膜炎モデルの作成:我々が確立した自然免疫依存のパパインコンタクトレンズ誘発結膜炎モデルとブタクサ誘発結膜炎モデルを元にした新規慢性アレルギー性結膜炎を作成した。すなわちブタクサ花粉を免疫して2週間後、パパイン水溶液にブタクサ花粉を混合しコンタクトレンズ上に吸着させたパパイン・ブタクサコンタクトレンズ(papain/ragweed contact lens; pRW-CL)をマウスの結膜嚢に2日間留置、2週間後に再度pRW-CLをマウス結膜嚢に留置、眼球を摘出し、好酸球浸潤数をカウントした。その結果、パパイン結膜炎、ブタクサ結膜炎より強く、慢性化した炎症を誘導する事に成功した。 好塩基球除去マウスを用いてRW-CL慢性結膜炎モデルを作成し、好塩基球が樹状細胞およびILC2細胞の活性化、ならびに結膜炎の病態に果たす役割を解明する:DT投与により好塩基球を除去したBas-TREKマウスで、RW-CL結膜炎を誘導した。結膜内への好酸球浸潤数をカウントしたところ、好塩基球除去マウスで、好酸球浸潤数の有意な低下をみとめた。さらにRW-CL結膜炎モデルからILC2細胞をFACSで分離したが、量的に遺伝子発現量を定量するまでのILC2細胞数を確保する事ができず、現在ソーティング方法の改良につとめている。今年度の成果は現在学術雑誌に投稿中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定の計画のうち自然免疫・獲得免疫の恊働で発症するパパイン/ブタクサ慢性アレルギー性結膜炎モデルの作成は順調に進行した。好塩基球除去マウスを用いてRW-CL慢性結膜炎モデルを作成し、好塩基球が樹状細胞およびILC2細胞の活性化、ならびに結膜炎の病態に果たす役割を解明する実験系に関しても、方法論の改良を重ねており、今後研究の進捗が期待できる状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
H29年度は以下の実験を予定している。 pRW-CL結膜炎モデルにおけるTSLP誘導型好塩基球の役割を明らかにする:自然免疫誘導型のアレルギー性炎症に重要な役割を果たしているとの報告があるTSLP誘導型好塩基球の役割を解明するために、TSLPRKOマウスならびに野生型マウスを用いて、pRW-CL結膜炎モデルを作成し、自然免疫および獲得免疫が恊働するpRW-CLアレルギー性結膜炎において、TSLP誘導型好塩基球の結膜並びに頸部リンパ節への浸潤数、好酸球ならびにILC2の結膜浸潤数、頸部リンパ節におけるDCの活性化状態を比較検討してTSLP誘導型好塩基球の役割を明らかにする。 pRW-CL結膜炎モデルにおけるIL-3依存性好塩基球の役割を明らかにする:IL-3依存性好塩基球がIgE刺激を介してアレルギー性炎症の増悪慢性化に働いているとの報告がなされている。そこで、IL-3の中和抗体を用いて、IL-3依存性好塩基球の活性化を抑制した際の効果をpRW-CL誘発結膜炎モデルにおいてTSLP依存性好塩基球と同様の解析を施行する。
|
Research Products
(1 results)