2016 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨変性疾患におけるNADPHオキシダーゼの役割の解明
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16H07195
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
船登 咲映 昭和大学, 歯学部, 助教 (20783252)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 軟骨細胞 / 細胞外マトリックス / NADPH-オキシダーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症(OA)は加齢や関節への過度の機械的刺激や滑膜の炎症により関節軟骨に退行変性が起こる疾患である。関節軟骨の軟骨細胞の細胞死と細胞外マトリックスの減少を特徴としている。国内の潜在的OA患者数は3,000万人以上である(厚生労働省)。また、関節リウマチ(RA)は免疫異常による滑膜炎が関節軟骨の変性と骨の破壊を起こす疾患であり、患者数は国内で70~80万人とされている(厚生労働省)。軟骨変性疾患における軟骨細胞外マトリックスの減少におけるNADPHオキシダーゼ(NOX)-2由来の活性酵素(ROS)の役割を解明し、変形性関節症や関節リウマチの軟骨変性に対する新たな予防・治療法を見出すために、軟骨細胞培養系を用いて、炎症性サイトカイン(IL-1β)による細胞外マトリックス減少におけるNOX-2由来のROSの役割を検討した。軟骨細胞のNOX-2活性あるいは発現を阻害剤やRNA干渉によって低下させた状態あるいはROSの制御下で、炎症性サイトカインのヒアルロニダーゼ活性および細胞外プロテオグリカン量に対する影響を明らかにし、炎症に伴う細胞外マトリックスの減少の分子メカニズムを解明した。 研究成果を、論文にまとめ発表した。(Extracellular matrix loss in chondrocytes after exposure to interleukin-1β in NADPH oxidase-dependent manner. Cell Tissue Res. 2017 Apr;368(1):135-144.)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Cell Tissue Res. 2017 Apr;368(1):135-144.に論文が掲載され、研究結果を報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
変形性関節症モデルマウスおよび関節リウマチモデルラットを用いて、軟骨変性疾患におけるNOX-2由来のROSの役割を明らかにする。ラット変形性関節症モデルおよび申請者のマウス関節リウマチモデル(Journal of Negative Results in BioMedicine 13:18, 2014)を用いて、NOX阻害やROS消去、あるいはpH制御による関節軟骨の細胞外マトリックスの質および量の改善効果を明らかにする。
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Research Products
(1 results)