2016 Fiscal Year Annual Research Report
可視光線を応用した汚れない義歯の開発に向けた基盤研究
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16H07197
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
福西 美弥 昭和大学, 歯学部, 助教 (30783287)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | バイオマテリアル / MPCポリマー / バイオフィルム / デンチャープラーク / PMMA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,これまでの研究成果を踏まえ東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻石原教室と共に可視光線によって励起する光重合開始剤を含んだMPCポリマーの重合と歯科用光重合照射器を用いた義歯床への今までにない新たなコーティング法を開発し,その精密かつ高度な解析をおこなう.また,昭和大学口腔微生物学講座にてS.mutansとC.albicansのバイオフィルムの形成抑制の検討を行いつつ,コーティングの耐久性についても検討を行う.さらに,臨床応用に向けて,その技術と知識をサンメディカル社と共有し臨床応用に必要な安全性の確認をおこない,今までにない抗バイオフィルム・汚れない義歯の開発を目的としている.歯科用光重合照射器を用いたMPCポリマーの共重合体開発に向けての基礎研究として,UV-Cを用いたMPCポリマー共重合体を義歯床用レジンの基板上にコーティングし,その表面とS.mutansによるバイオフィルムの抑制効果を検討した.UV-Cを用いたMPCポリマー共重合体をコーティングした義歯床用レジンの基板表面にはMPCポリマー共重合体が存在し,その表面はMPCポリマー共重合体をコーティングしていない義歯床用レジンの基板と比較し,S.mutansのバイオフィルムを優位に抑制することができた.また,サンメディカルと共にこのUV-Cを用いたMPCポリマー重合体での商品開発に向けミーティングを繰り返した.さらに,歯科用光重合照射器を用いたMPCポリマー共重合体の開発と義歯床へ新たなコーティング法についても意見交換を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
J Vis Exp. 2016 Dec 26;(118)にて論文がアクセプトされ,研究成果を報告することができた. (公社)日本補綴歯科学会 第125回学術大会にて,研究成果を報告することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
UV-Cを用いたMPC共重合体の臨床試験と共に歯科用光重合照射器を用いたMPC共重合体の開発を引き続き行い,S.mutansとC.albicansにおけるバイオフィルムの抑制を義歯床用レジンの基板上で明らかにする. また,そのデータをもとに臨床試験にて実際のデンチャープラークの抑制効果を明らかにする.
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