2016 Fiscal Year Annual Research Report
原発性萌出不全特異的iPS細胞を用いた疾患機序の解明
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16H07198
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
泉田 恵理 昭和大学, 歯学部, 助教 (70783497)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 原発性萌出不全 / PTH1R遺伝子 / ミスセンス変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、原発性萌出不全(PFE)特異的な人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製し、本疾患の発症メカニズムを解明することを目的としている。まずは、PFE特異的iPS細胞を患者細胞から誘導、樹立し、OCT4およびSSEA4等のマーカーの発現で確認した。また、疾患特異的iPS細胞の培養条件はそれぞれ最適化する必要がしばしばある。そこで、395C>T(p132L)の変異を有するPFE特異的iPS細胞のフィーダー細胞を用いない培養条件を詳細に検討し、良好な増殖がみられる培養条件を見出すことに成功した。 当該年度では、この対照ヒトおよびPFE特異的iPS細胞を用いて同iPS細胞から骨芽細胞分化を誘導し、骨芽細胞の機能を比較解析を行った。 ⅰ) 骨芽細胞分化マーカーの発現および石灰化を指標に骨芽細胞分化を比較 骨芽細胞分化の変化がPFE発症に関係するか否かを樹立したPFE特異的iPS細胞および対照ヒトiPS細胞から骨芽細胞への分化を比較することで明らかにした。各iPS細胞をアスコルビン酸、βグリセロリン酸およびデキサメタゾンを含有する骨芽細胞分化誘導培地を用いて培養し、骨芽細胞分化を誘導し、それぞれのiPS細胞から骨芽細胞への分化過程を経時的に比較した。解析項目としては、アルカリフォスファターゼ活性測定および活性染色を実施するとともに、石灰化をアリザリンレッド染色およびvon Kossa染色にて評価し、さらに、RUNX2、OSX、BGLAPなどの骨芽細胞分化マーカー遺伝子の発現を定量的PCRにて評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
原発性萌出不全特異的iPS細胞および正常iPS細胞の培養条件の統一化を図るのに少し時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者らが樹立したPFE特異的iPS細胞を骨芽細胞に分化誘導させる上で、通常の方法で分化誘導能率が低い場合には、必要に応じて培地の種類、培養期間や分化誘導因子の種類や添加量を変えて行う。PFE特異的iPS細胞由来骨芽細胞と骨髄細胞の共存培養における破骨細胞形成が対照iPS細胞由来骨芽細胞を用いた場合と違いが認められない可能性も考えられる。その際は、PFE特異的iPS細胞と対照iPS細胞からマクロファージを誘導し、RANKL刺激による破骨細胞分化の誘導を試みる。
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Research Products
(1 results)