2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an advanced care planning program for older adults with early dementia
Project/Area Number |
16H07205
|
Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
目黒 斉実 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (60781680)
|
Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
|
Keywords | 高齢者 / 認知症 / 初期認知症 / 意思決定支援 / アドバンスケアプランニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、初期認知症高齢者が、意思決定能力低下に備えて、自分の願いや希望、意思を表すために、家族や医療福祉関係者との対話を通してアドバンスケアプランニングを可能にするためのプログラムを開発することである。 初年度はアドバンスケアプランニングを進めるためのツールとして、初期認知症高齢者本人が利用するためのワークブックを作成した。国内外のアドバンスケアプランニングおよび事前指示書に関する文献検討を行い、ワークブックの構成項目を抽出した。また、実際に認知症高齢者への事前指示書作成を進めている施設での情報収集からは、認知症高齢者本人が使用する際には、一項目ごとにコミュニケーションを取りながら、本人の理解と真意を確認しながら進めていくことが重要であり、それには十分な時間をかけていく必要があると知見を得た。これよりワークブックの項目数は計画よりもできるだけ少なくし、ワークブックを使用する目的は、対話により決定したことを記しておくためのものではなく、本人が、家族または医療福祉関係者と目的をもって対話することを促進させるためのツールという点をより強調させるものとした。 構成は、前半に認知症に関する基礎的な情報を提供する教育的な内容とし、後半は複数の項目について問いを投げかけることで今の思いや考えの表出を促し、それを記載するワークノートとした。認知症者本人が使用しやすいよう、ひとつの項目が複数ページに及ばないようにページを割り付け、圧迫感がなく読み進められるように文字数を増やさずイラストを使用し、見開きB4で10ページとした。ワークノート部分の項目は、【大切にしている価値観】、【介護を受けること】、【周囲の人との関係性】、【医療に対する考え】、【食べられなくなった時のこと】、【金銭管理と資産のこと】、【代理人のこと】の7項目とした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定よりワークブックの項目の検討作業に時間がかかったため、計画を立て直し、その計画に沿って進めた。ワークブックの作成作業が遅延したが完成できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度に作成したワークブックを、認知症ケアに精通した専門職者(精神科医、認知症看護認定看護師・老人看護専門看護師を含む看護師、介護福祉士、作業療法士、臨床心理士)に読んでもらい、ワークブックについての意見を収集する。そこから、ワークブックを改訂し、さらに認知症高齢者本人との対話を通してアドバンスケアプランニングを可能にするための具体的なプログラムを検討する。
|