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2016 Fiscal Year Annual Research Report

接触構造の観点からみた正結び目の研究

Research Project

Project/Area Number 16H07230
Research InstitutionTokyo University of Science

Principal Investigator

田神 慶士  東京理科大学, 理工学部数学科, 助教 (60778174)

Project Period (FY) 2016-08-26 – 2018-03-31
Keywords正絡み目 / 接触構造 / ラグランジアン充填 / サーストン・ベネカン数
Outline of Annual Research Achievements

絡み目とは三次元球面に埋め込まれたいくつかの円周である。絡み目の研究では絡み目不変量や三次元多様体の不変量を用いて、絡み目を性質ごとに分類していくことが目的となる。本研究では、三次元多様体の接触構造に着目し、結び目の正値性の判定を行うことを目的としている。当該年度は三次元球面の上の標準的な接触構造とそのシンプレクティック化に関して、ラグランジアン曲面を張るルジャンドル絡み目の構成を行った。そのような絡み目をラグランジアン充填可能なルジャンドル絡み目という。
先行研究として、Hayden-Sabloffにより正絡み目はラグランジアン充填可能なルジャンドル絡み目表示を持つことが示されている。申請者はこの結果を踏まえ、ザイフェルトグラフに関してある条件を満たす概正絡み目が正絡み目と同様にラグランジアン充填可能なルジャンドル絡み目表示を持つことを示した。また、具体例として,強擬正かつラグランジアン充填可能な概正絡み目を無限個与えた。申請者は、すべての概正絡み目は強擬正かつラグランジアン充填可能であると予想しており、この結果はこの予想を正しいとする一つの証拠を与えている。また、交代結び目がラグランジアン充填可能なルジャンドル結び目表示を持つならば、その結び目は正結び目になることを示した。さらに、この結果を用いて、最小交点数が12交点以下の結び目に対して、ラグランジアン充填可能なルジャンドル表示を持つかどうか、判定を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定では、初年度に概正絡み目がラグランジアン充填可能なルジャンドル絡み目表示を持つことを示す予定であった。これに関し、ザイフェルトグラフに関してある条件を仮定することでこのことを示すことはできたが、この条件を満たさない概正絡み目が存在することもわかっており、問題の完全解決には至っていない。
一方、ラグランジアン充填可能なルジャンドル絡み目表示を持つ交代結び目の分類が完成した結果、最小交点数が12交点までの結び目についてそのラグランジアン充填可能性を決定することができた。
以上のことから、ラグランジアン充填可能な結び目の構成および分類に関して、一定の成果が得られたといえる。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策としては、まず、初年度に解決できなかった概正絡み目のラグランジアン充填可能性の判定を行う。ラグランジアン充填可能な絡み目は擬正絡み目であることが知られているが、概正絡み目についてはまだ擬正絡み目になるかどうか知られていない。そこで、この問題を解決するために、概正絡み目の擬正性を中心に調べる。
また、当初の予定どおり、ラグランジアン充填可能性と絡み目の強擬正性、ラグランジアン充填可能性と絡み目の等質性の関係について調査する。

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Published: 2018-01-16  

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