2017 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring influential factors to retention of midwive at health centers in rural areas: searching for safe delivery and responsive care to women's needs in Cambodia
Project/Area Number |
16H07256
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
阿部 貴美子 明治学院大学, 社会学部, 研究員 (00783862)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 途上国保健人材 / カンボジア / 人材定着 / 農村 / ジェンダー / 助産師 / 人材政策 / ハウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
カンボジアでは、近年、妊産婦死亡率が急速に低下したが、さらに下げるために、高い資格を持つセカンダリー助産師の農村部も含めた全国の保健センター(HC)への配置を政策的に進めている。本研究は、これらの助産師の農村部への定着には、何が重要な影響要因であるかを助産師とHCチーフ、保健センターで出産した女性などにインタビューを中心に調査を行い、これまで注目されなかった、助産師が独身の場合は親元から、既婚の場合は夫の元から配置によって離れることが、他の影響要因よりも重大な影響要因であることを示した。親元や夫から離れて住むことになった助産師は、親や夫の居住地に戻るために異動(定着の終わり)を希望(全員)し、異動願いを出していた。異動した事例もあった。助産師の周囲のHCチーフ等は、助産師定着を支援しつつも、この様な理由による異動を仕方がないと捉えていた。 助産師の安全の問題(女性に対する暴力)への懸念が、本研究以前やインタビューの中でも中央の行政関係者等から語られたが、助産師と周囲の人々は、実際には問題は起きていないと語った。上記の住まい方と安全に関する態度と懸念には、カンボジア社会のジェンダー規範の影響が考えられる。一方、給与や職場の物理的な環境、配置先のコミュニティの受容からの影響は、親元または夫から離れることよりも限定的だった。理由は、給与や職場の物理的な環境の改善が進んだ、コミュニティでは、妊娠出産に関わるクメールの伝統と言われる習慣は「古い遅れたもの」とする認識が広まり、助産師の妊産婦に対する指導が習慣と異なったり、反してもコミュニティが反発しなかったことによる。 助産師の配置先を親元や夫の元から通える範囲のHCに限ることは、全ての保健センターへの配置が重要政策である中、不可能に近い。配置先で住宅を提供する政策が、助産師とその周辺の人々の当面の負担を軽減すると考えられる
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)