2016 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート系構造物に構造・非構造部材を取付ける接合要素の耐力と剛性評価法の確立
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16H07298
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
白井 佑樹 神奈川大学, 工学部, 助教 (00779720)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | アンカーボルト / 弾性床上梁理論 / コンクリート反力係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の始めとして,鉄筋を配していないコンクリートにアンカーボルト一本を埋込んだ試験体を製作し,アンカーボルトに単調なせん断力を与える実験を行った。これまでの実験では,実情に即してナットの固定によりせん断力を受けたアンカーボルトが加力治具により曲げ戻しを受ける境界条件としていた。本実験では,せん断力は加力治具を介して与えたが,これらはナット等により固定されておらず,アンカーボルトがせん断力によって自由に変形できるような単純な境界条件とした。これにより,弾性床上梁理論との対応を検討できると考えた。 実験で用いたアンカーボルトは,頭付きアンカーボルト,接着系アンカーボルト,及び頭付きアンカーボルトと同様の丸鋼を用いるが頭部にナットを付けず,コンクリートとの付着を取り除いたボルトの三種類とした。 実験では,アンカーボルトを固定しないことで曲げ戻しを受けない境界条件でのせん断力と水平変位の関係を取得した。せん断力と水平変位の関係における傾きである剛性は,これまでの曲げ戻しを受ける境界条件と比べて小さくなった。弾性床上梁理論において,提案したコンクリート反力係数を用いて剛性を算定すると,本実験の境界条件での結果に対して小さく評価する傾向にあった。 また本実験ではアンカーボルトの種類による違いとして,接着系アンカーボルトが他と比較して剛性が低い傾向にあった。これは,アンカーボルトとコンクリートの間に充填された接着剤による影響と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した,アンカーボルトの固定方法による境界条件に関する実験を行うことができた。この実験により,力学モデルである弾性床上梁理論の妥当性を再度確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,研究計画に沿ってコンクリートにアンカーボルトを埋込んだ試験体による実験を行う予定である。これまでの成果から境界条件によるアンカーボルトの力学性状への影響が確認されたため,実験パラメータである載荷条件に追加の条件を検討する。
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