2016 Fiscal Year Annual Research Report
脳性麻痺児の運動発達と関連する体幹・下肢筋の筋量および筋内非収縮組織の解明
Project/Area Number |
16H07302
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
正木 光裕 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (20780662)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 脳性麻痺 / 運動発達 / 体幹筋 / 下肢筋 / 超音波画像診断装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳性麻痺児において運動発達を促すための筋骨格系の要因を明らかにすることは重要な課題であり、早期のリハビリテーション介入が求められている。本研究では、CTやMRIと比較して可搬性に優れ安価であり、非侵襲的に筋の撮像が可能である超音波画像診断装置を使用する。超音波画像診断装置を使用することによって、脳性麻痺児の体幹・下肢筋を個別の筋に分けた上で、筋量のみならず筋内の脂肪組織や結合組織といった非収縮組織も合わせて評価することが可能である。 本研究の目的は、脳性麻痺児の運動発達を促す体幹・下肢筋の筋機能を解明するために、体幹・下肢筋の筋量、筋内非収縮組織と座位能力、移動能力、総合的な運動能力、日常生活動作との関連について、横断および縦断的に分析することである。 上述した目標を達成するために、平成28年度に肢体不自由児・重症心身障害児施設に所属の脳性麻痺児を対象として、運動障害の重症度、超音波画像診断装置を使用した体幹・下肢筋の筋量および筋内非収縮組織、関節可動域、痙性、座位能力、移動能力、総合的な運動能力、日常生活動作について測定した。具体的な測定方法として、超音波画像診断装置による測定では体幹の胸・腰部脊柱起立筋、腰部多裂筋、腹直筋、外・内腹斜筋、腹横筋、下肢の大殿筋、中殿筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、前脛骨筋、下腿三頭筋における筋厚・筋輝度を測定した。筋厚は筋の量的状態(筋量)、筋輝度は筋の質的状態(筋内非収縮組織)を表す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度には肢体不自由児・重症心身障害児施設に所属の脳性麻痺児を対象として、33名の測定を実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度(本年度)には肢体不自由児・重症心身障害児施設に所属の脳性麻痺児を対象として、運動障害の重症度、超音波画像診断装置を使用した体幹・下肢筋の筋量および筋内非収縮組織、関節可動域、痙性、座位能力、移動能力、総合的な運動能力、日常生活動作の測定を継続して実施する。また、平成28年度(昨年度)の測定結果をベースラインとして、座位能力、移動能力、総合的な運動能力、日常生活動作の縦断的な変化と関連する要因、すなわち運動発達を予測する要因を縦断的に明らかにする。 本研究の今後の推進方策として、縦断研究として必要な対象者数が平成29年度(今年度)の測定で得られない場合、測定実施施設の追加を検討していく。
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