2016 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクス解析を用いたカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス溶解感染機構の解明
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16H07325
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
阿部 温子 (杉本温子) 京都薬科大学, 薬学部, ポスト・ドクター (70780774)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | KSHV / 溶解感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
KSHVの溶解感染に関わる因子の多くは未だ同定されておらず、溶解感染機構は未だ解明されていない部分が大きい。そのため、本研究ではKSHVの溶解感染機構を解明するために、溶解感染に重要である因子を同定することを目的としている。2017年3月末までの期間において、KSHVの細胞への感染後からの潜伏感染と溶解感染の各ステージにおいて経時的に発現が変動する因子の解析を行った。その結果、プロテオミクス解析を用いた網羅的探索により、潜伏感染細胞と溶解感染細胞で発現が変化する30個のKSHV由来のウイルスタンパクを同定することに成功した。次にプロテオミクス解析の条件を最適化するために、溶解感染誘導後、経時的に回収したサンプルを用いて、KSHV全てのORFについて定量的PCR法を行い、各mRNAの発現のタイミングを解析した。その結果、KSHVのタンパク発現プロファイルを作成するには溶解感染誘導後48時間および72時間が最適であったため、今後は溶解感染誘導後48時間、72時間のサンプルを用いて解析を行う予定である。また、今回のプロテオミクス解析では30種類のウイルスタンパクが同定されたが、感度を向上させるために細胞質と核を分画して解析を行う予定である。 また、プロテオミクス解析により、ウイルス由来因子のみならず、溶解感染誘導後発現パターンが変化する60個以上の宿主性タンパク質を同定することに成功した。発現上昇が顕著だったものに焦点を当て、ウエスタンブロット法を用いて確認を行ったところ、ユビキチン様タンパクFAT10とユビキチン活性化酵素UBE1L2の発現量の顕著な変化が認められた。定量的PCR法を用いてKSHVの溶解感染におけるユビキチン様タンパクのmRNA量の変化を確認したところ、FAT10は他のユビキチン様タンパクに比べて顕著にmRNA量が上昇していることが確認された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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