2016 Fiscal Year Annual Research Report
文章の数量分析に基づく西鶴浮世草子の著者及び成立年に関する総合的研究
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16H07328
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
上阪 彩香 同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (60780252)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 井原西鶴 / 統計科学 / 多変量解析 / 近世文学作品 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、井原西鶴(1642~1693)作とされる浮世草子に提起されている著者への疑問を、西鶴の文章と門下の北条団水(1663~1711)をはじめとした西鶴周辺の作家の文章と比較分析し、文章の計量的観点からこれらの解明を試みることを目指している。28年度は、①西沢一風、江島其磧の計6作品のデジタル化、②形態素解析辞書の構築、③アンサンブル学習モデルを用いた西鶴の文章と団水の文章の計量的比較分析に重点を置き、研究を行った。さらに、研究成果を世間一般に広く発信するため、Webサイトを開設した。 ①江島其磧『風流曲三味線』、『野白内証鑑』、西村市郎右衛門『新御伽婢子』、『宗祇諸国物語』、『御伽比丘尼』、『新竹斎』の文章データのデジタル化作業を進めた。 ②今後の西鶴研究に広く応用できるように、形態素解析辞書の構築を検討した。公開されている10種類の形態素解析辞書を用い、西鶴『好色一代男』巻一を解析し、報告者が研究に用いている形態素解析済みデータとの一致率(語彙領域および品詞)を検討した結果、47%~64%であった。特に、名詞での一致率が低かった。そのため、構築済みの西鶴データベースおよび団水データベースでの形態素情報を用いた形態素解析辞書の構築作業を進め、名詞、助詞、副詞の追加を完了した。 ③西鶴、団水の文章の間に差異がみられるかをバギング、ランダムフォレスト、アダブースト、サポートベクターマシンを用い、章単位(一章あたりの長さが最短:282単語、最長:1963単語、平均:861単語の文章データ)にて検討した結果、名詞、助詞、動詞、助動詞、副詞、単語、助詞のbigramの出現率において、86%~99.5%の正解率を得た。 2017年度より、研究テーマを拡大し、若手研究(B)にて研究を継続する。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(9 results)