2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of dangerous driving behaviors of elderly drivers by positivity effect
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16H07334
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
木村 年晶 同志社大学, 研究開発推進機構, 助手 (40780359)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者 / 感情 / 漢字 / 感情ストロープ課題 / 交通 / NIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
予備調査によって選択された271語の感情刺激語をPCモニター上に呈示しアフェクトグリッドによる評価を求めた。調査対象は大学生(平均年齢=20.66、標準偏差=1.21歳)であった。分析の結果,9つのカテゴリー (感情価3水準×覚醒度3水準) からなる感情喚起語リストを作成した。その中から81語を刺激語として選択して,若者と高齢者を対象に,感情ストループ課題を行った。実験対象者は18歳から26歳までの若年者50名(平均年齢21.16歳、標準偏差=2.10歳)と65歳以上の高齢者50名(平均年齢72.29歳、標準偏差=7.27歳)であった。PCモニター上に呈示された色づけされた二字熟語の意味を無視して色名を回答してもらい,反応時間を計測した。また,実験実施時にNIRSWOT-220(日立ハイテクノロジーズ社)を用いて酸素化ヘモグロビン(oxy-Hb)濃度変化を計測することで前頭葉の脳賦活を測定した。反応時間について,高齢者の活性水準における反応時間が快刺激と不快刺激が中性と比べ遅延した。また,酸素化ヘモグロビンの変化については,快刺激と中性刺激と比べ高齢者の不快刺激時におけるヘモグロビン濃度変化量が大きかった。 次いで,危険な交通場面を想起させる嫌悪喚起刺激画像の収集を行うことを目的とした。調査対象者は18歳から29歳までの若年者244名(平均年齢24.31歳、標準偏差=3.20歳)と65歳以上の高齢者255名(平均年齢71.16歳、標準偏差=5.24歳)であった。収集した写真の中から182枚を選択し,ウェブを通したアンケート調査法によって,それぞれの写真について評価することを求めた。質問内容は「年齢」「性別」「運転頻度」「感情価」「覚醒度」「複雑性」「危険度」であった。相関分析を行った結果不快場面と危険場面に関連が示され,危険な交通場面を想起させる嫌悪喚起刺激画像を選定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
条件設定のため画像評価実験の予備実験を行ったところ,漢字言語要因が検出された。そこで実験に使用するための画像刺激収集にあたり,あらかじめ感情を喚起させる言葉に対する情報処理バイアスを検討することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
漢字言語要因の検討を行うために、刺激語の選定に関する調査と刺激語を用いた情報処理バイアスの実験を追加した。一連の研究を追加することにより、本研究の目的である情報処理バイアスからの高齢ドライバーの危険運転の解明に対してより一層寄与することが可能である。
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