• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2016 Fiscal Year Annual Research Report

αシヌクレインのクリアランスを基盤とした神経変性疾患治療薬の創出

Research Project

Project/Area Number 16H07341
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

肱岡 雅宣  立命館大学, 薬学部, 助教 (50780061)

Project Period (FY) 2016-08-26 – 2018-03-31
Keywordsα-シヌクレイン / DJ-1 / 神経細胞 / ミクログリア
Outline of Annual Research Achievements

パーキンソン病をはじめとしたシヌクレオパチーはαシヌクレイン(α-syn)の凝集・蓄積を主徴とする疾患である。本研究ではα-synのクリアランスにパーキンソン病原因遺伝子DJ-1が関わることを想定して以下の項目に取り組んだ。
1. 神経細胞内のα-syn分解機構の探索:神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞を用いて細胞内のα-syn分解に対するDJ-1の機能を調べた。α-synをコードするSNCA遺伝子をSH-SY5Y細胞に強制発現させた後、繊維状α-synを処置すると細胞内にα-synの凝集が確認される。SH-SY5Y細胞に対してDJ-1をノックダウンさせるとα-syn凝集の著明な増加が確認できたことから、DJ-1が細胞内でα-synの分解に関与することが示唆された。
2. ミクリグリアによるα-synの取り込みに対するDJ-1の機能解析:ミクログリアがα-synを取り込むという既報をもとに検討を行った。マウスミクログリア細胞株BV-2細胞に対しリコンビナントヒトα-synを処置した結果、α-synの取り込みを確認することができなかった。
3. α-synによるミクログリアの活性化に対するDJ-1の抗炎症効果の検証:α-synオリゴマーがミクリグリア細胞膜上のToll様受容体2(TLR2)を介して炎症を誘導することが報告されている。今年度はTLR2リガンドであるペプチドグリカンでミクログリアを刺激した結果、炎症性サイトカインのmRNAレベルが増加した。これに対してDJ-1のノックダウンを行うと炎症性サイトカインのmRNAレベルが有意に増強された。
上記のように本年度は神経細胞およびミクログリアの細胞株を用いてα-synの分解やα-synによる炎症の誘導に対するDJ-1の関与を見出してきた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は研究計画に従って、in vitro細胞培養系を用いてα-シヌクレイン(α-syn)とDJ-1の関係に関する研究に取り組んだ。神経芽細胞腫であるSH-SY5Y細胞を用いた検討の結果、DJ-1がα-synの凝集・分解に関係することを見出した。また、マウスミクログリア細胞株であるBV-2細胞に対してTLR2リガンドであるペプチドグリカン(PGN)を処置して炎症を誘導した際にDJ-1が炎症応答抑制的に働くことを見出した。

Strategy for Future Research Activity

本年度は昨年度のin vitroの実験系に加えて、in vivoの実験系を加えた以下の4項目について検討を行う。
1. 神経細胞内のαシヌクレイン(α-syn)分解機構の探索:ヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞を用いた前年度の結果(α-synの細胞内凝集に対してDJ-1が抑制的に働くこと)に関して、詳細なメカニズの解析を行う。なお、DJ-1のノックダウンによりオートファジーマーカーであるLC3タンパク質の局在が変化することを見出していることから、オートファジーに着目した解析を行う。
2. ミクリグリアによるα-synの取り込みに対するDJ-1の機能解析:昨年度はマウスミクログリア細胞株BV-2細胞に対してリコンビナントヒトα-synを処置しても取り込みを確認できなかったため、実験系を確立したのちDJ-1の関与を明らかにする。なお、BV-2細胞で既報と同様の結果が得られない場合にはラット初代培養ミクログリアを用いて検討する。
3. α-synによるミクログリアの活性化に対するDJ-1の抗炎症効果の検証:TLR2リガンドであるペプチドグリカンをBV-2細胞に対して処置した際に誘導される炎症応答に対してDJ-1が抑制的に機能することを見出した。本年度はα-synによる炎症誘導に対してもDJ-1が抑制的に機能するか、また、DJ-1に作用する薬物が炎症応答を抑制するか検討する。
(4)in vivoにおけるα-synクリアランスに対するDJ-1の機能解析:ラット脳内にα-synオリゴマーを注入することでα-synの凝集が起こるモデルが報告されている。このモデルに対してDJ-1を欠損させたときあるいはDJ-1に作用する薬物を投与したときにα-synの凝集・沈着が抑制されるか検討する。

URL: 

Published: 2018-01-16  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi