2016 Fiscal Year Annual Research Report
リカバリー志向介入に参加しなくなった統合失調症者のリカバリー体験と支援の実態
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16H07362
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Research Institution | Osaka Aoyama University |
Principal Investigator |
的場 圭 大阪青山大学, 健康科学部, 助手(移行) (20780448)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 看護学 / 精神看護 / リカバリー / WRAP / IMR |
Outline of Annual Research Achievements |
【具体的内容】 本研究は、統合失調症を抱える人への支援のあり方を検討するために、リカバリー志向介入に参加しなくなった統合失調症者へのリカバリー支援の実態と支援者の考えを明らかにすることを目的としたものである。 本年度は、リカバリー志向介入に参加しなくなった統合失調症者の実態の把握としてリカバリー志向介入を実施している施設への質問紙調査を実施する予定であった。また、質問紙調査協力施設の支援者を対象に、リカバリー支援の考え方と支援の経験についてインタビュー調査を実施する予定であった。対象者はスノーボールサンプリングで集めており、12施設から協力の依頼が得られ、尚も対象施設を募っている。インタビュー調査は、7名の協力が得られ終了しているが、さらに協力者を募っているところである。 研究当初はリカバリー志向介入としてIMR、WRAP、IPSを考えていたが、関連学会や支援者の方々からの意見を踏まえ、IMR、WRAPのみとすることに変更した。それに伴い、対象施設の数が減り、対象者数が当初想定していたよりも集まりにくい現状がある。 【意義・重要性】 現在、精神科医療では、精神症状や障害がなくなることだけでなく当事者の希望や生きたい人生を歩むことがリカバリーであるという考えが広がっている。しかし、一方で支援者の考えやプログラムに当事者をあてはめることがリカバリーを阻害していることが指摘されている。今年度の調査を通して、リカバリー志向介入を実施している支援者らは、介入方法は1つの手段であり、当事者個々に合わせた支援を行うことがリカバリーに貢献することを強調していた。そのため、本研究を実施することは、当事者のリカバリーに沿った支援のあり方を検討する上で非常に意義のあるものである。今後は、さらに専門家の協力者を募るとともに当事者を対象にした研究を実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遅延の理由は対象とするリカバリー志向介入の変更である。研究当初リカバリー志向介入としてWRAP、IMR、IPSを考えていたが、IPSを除外したため本研究の候補となる施設が減った。そのことで候補となる施設の数が減少し、新たに候補となる施設を探すことに時間がかかり、遅れにつながったと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
8月までは引き続き、支援者を対象とした質問紙調査とインタビュー調査のデータ収集を実施する予定である。これに並行して、データ分析を実施していく。また、本年度から当事者を対象とした研究計画を立案しており、9月頃から支援者対象の研究で協力の得られた施設に依頼し、インタビューによるデータ収集を実施していくことを考えている。
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