2016 Fiscal Year Annual Research Report
社会イノベーションの普及に必要な実践共同体における信頼に関する研究
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16H07366
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
田原 慎介 関西学院大学, 人間福祉学部, 助教 (80779976)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 社会イノベーション / 普及 / 組織間信頼 / 実践共同体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多様な組織間においてどのようなタイプの信頼が実践共同体の構築ならびに発展にとってドライバーとなり、その結果として社会イノベーションの普及へと繋がっているのか、そのメカニズムを明らかにすることである。 本年度は、先行研究のレビュー、社会イノベーションの普及の初期段階にある研究対象に対する二次資料の収集、インタビュー調査、参与観察を中心に行った。先行研究のレビューは、これまで行ってきた社会イノベーションならびに実践共同体に関する先行研究のレビューに加えて、信頼に関する先行研究のレビューに力を入れた。二次資料は、研究対象組織が外部向けに提供している資料、新聞・雑誌記事を中心に収集した。インタビュー調査ならびに参与観察はセットで実施することが多く、インタビュー調査に関してはインデプスインタビューへと発展させることができ、組織間の信頼の状況に関して時系列を意識したかたちで詳細に実施することができた。参与観察は、研究対象の組織が実施する研究会や勉強会への参加が主であった。 インタビュー調査、参与観察、二次資料によって収集したデータは定性的に分析している。今後さらに深く分析を進めていく必要はあるが、現段階における分析結果は、平成29年6月にアイスランドのレイキャビク大学で開催される24th Innovation and Product Development Management Conference、ならびに7月にデンマークのコペンハーゲン・ビジネススクールで開催される33rd EGOS ColloquiumのTrust-based Organizing: Principles and Politicsのセッションで研究報告する。研究報告をとおして得られたコメントなどをもとに、さらに研究を深め、国内外の学術雑誌へ投稿することを考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビュー調査、参与観察は、予定どおり実施でき、インタビュー調査に関してはインデプスインタビューへと発展するなど、順調に調査を進めることができている。一方で、実施予定のアンケート調査は、アンケート調査項目をブラッシュアップさせている段階であり、できるかぎり早い段階でパイロット調査を実施して、本調査へと進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
先行研究のレビュー、特に組織間信頼に関する先行研究のレビューで不足している部分があるため、平成29年5月~6月にインタビュー調査と参与観察、アンケート調査と並行して先行研究のレビューを強化する。インタビュー調査と参与観察は夏までを目標に集中的に実施する予定である。アンケート調査は、現在アンケート調査項目をブラッシュアップさせている段階であるため、アンケート調査項目が完成次第パイロット調査を実施して、夏には本調査を実施することを考えている。 調査結果は、定量的かつ定性的に分析して、国内外の学術雑誌へ投稿する。
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Research Products
(3 results)