2016 Fiscal Year Annual Research Report
多色多形半導体ナノ結晶を用いた多階層イメージング画像の共通空間座標決定に向けて
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16H07368
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
藤井 文彦 神戸学院大学, 薬学部, 准教授 (40374657)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 半導体ナノ結晶 / バイオイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では様々な形状からなる数種の半導体ナノ結晶を用いて、例えば透過型電子顕微鏡や走査型レーザー顕微鏡で得た異なる空間スケールの画像データについて、共通空間座標を決定するための手法の確立を目指している。本年度は、特に以下の3点について検討し、今後へつながる進展があった。1.上記目標を達成するために、まずは異なる空間スケールの目印となるナノメーターサイズの物質が必要である。そこで第一の実行課題として、形状の異なる半導体ナノ結晶の合成法の確立を目指した。棒状の半導体ナノ結晶の長軸長を厳密にコントロールするために、温度と反応時間について検討し、長軸長を線形的にコントロールできる範囲を決定した。2.異なる空間スケールのいかなる画像データからも、上記で示した半導体ナノ結晶を抽出・解析しなければならない。それには、in vitroはもとより次年度は細胞株中などでもそれが実行可能となるようなソフトウエアが必要である。今期はソフトウェアを検討・選定し、適切なコード記述とクライテリア設定によって大量の半導体ナノ結晶の形状を自動的に統計解析できることを確認した。3.半導体ナノ結晶を生体中に適切に導入しそれを確認するためには、簡便かつ精度の高いアッセイ法が必要である。その1つとして、点計測あるいは2次元平面での相関解析法の基礎検討を行った。導入したシステムの感度と解析結果の妥当性を評価するために蛍光色素と半導体ナノ結晶を測定した結果、定性的には分子サイズ・濃度・輝度の相違を適切に判断できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
作製予定だった様々な形状の半導体ナノ結晶のうち、1部の半導体ナノ結晶の合成法は確立し、形状コントロールのパラメータを把握したが、一方で放射状の半導体ナノ結晶については、未だ確固とした合成法の確立には至っておらず検討段階にあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、放射状の半導体ナノ結晶の合成法を確立するとともに、形状コントロールのためのパラメータを抽出する。次に、同形状の半導体ナノ結晶からなる高輝度の集合体を形成するための手法を確立する。加えて、画像データから特定の形状あるいは蛍光色の信号を自動検出するためのコードを記述する。
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