2017 Fiscal Year Annual Research Report
Factors influencing the formation of professional identity in middle-aged municipal public health nurses
Project/Area Number |
16H07369
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
小路 浩子 神戸女子大学, 看護学部, 講師 (10782063)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 市町村保健師 / 職業的アイデンティティ / 複線径路・等至性モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は複線径路・等至性モデル(以下、TEM)を用いて経験の径路を図示(以下、TEM図)、分析することにより中堅期の市町村保健師の職業的アイデンティティ(以下、職業的ID)の形成プロセスと影響要因を明らかとする。平成29年度は前年度に引き続き対象者への面接調査を行い、研究協力の承諾を得た7名全員の調査を完了した。倫理的配慮として研究者の所属機関の倫理委員会において承認を得た(受付番号:H28-16)。データ収集はライフラインの作図及び半構成的面接法により、対象者1人につき2回実施した。データは逐語録化し、職業的IDに関連すると考えられる語りに焦点を当て対象者の経験や行動を時系列に配置し、経験や行動を促進または阻害させたと考えられる社会的背景や周囲の環境及び本人の意識や認識を反映させながら、個々のTEM図(仮)を作成した。さらに、対象者とともにTEM図(仮)の径路・経験内容、認識等について確認を行い、追記・修正を加えながら、7名のTEM図を完成させ、経験のプロセスの概要をまとめた。対象者が認識している職業的IDは「自分が思う保健師像(=住民に寄り添う専門職)に現実の自分がほぼ一致していると思う」状態としてTEM上での「等至点」に設定した。周囲の支援や職業経験の他、出産等のライフイベントが職業的IDの形成に影響を与えていることが中堅期の保健師の特徴として示唆された。データの飽和を示す「両極化した等至点」は「自分が思う保健師像と現実の自分に乖離があると思う」が設定され、経験の未熟さや職場の人間関係、配属先の業務内容が職業的ID形成の阻害要因であることが示唆された。本研究によりこれまで明らかにされていなかった市町村保健師の経験のプロセスと影響要因が示され、その多様性とともに職業意識の普遍性が見出された。この結果は、新人期及び中堅期の保健師の人材育成の資料として意義深いものである。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)