2016 Fiscal Year Annual Research Report
肺がん患者の呼吸症状、対処行動とQOLの関連からみた症状マネジメントモデルの作成
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16H07383
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
山下 彰子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助教 (10779705)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 肺がん患者 / 呼吸症状 / 対処行動 / QOL / 症状マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、進行肺がん患者の呼吸症状、対処行動とQOLとの関連について明らかにし、症状マネジメントモデルを作成することを目的としている。平成28年度は、文献検討および自記式質問紙を作成することを計画とした。 まず、進行肺がん患者の呼吸症状や対処行動、QOLに関する文献検索・文献検討を行った。医学中央雑誌を用いて、「肺がん」「呼吸症状」「QOL」「対処行動」のキーワードで検索し、97件の文献の中で、本研究に関連する文献22件を文献対象とした。そして、文献検討の結果および、研究者が修士論文で明らかにした「呼吸困難のある肺がん患者の様相」をもとに研究概念枠組みを作成した。 次に、作成した概念枠組みに基づき、自記式質問紙を作成した。対処行動の項目については、Total Dyspneaの観点から捉えるために、身体的側面のみでなく、社会的側面や、自己コントロール感などのスピリチュアルな側面も含め包括的に捉えることができる内容を抽出した。呼吸症状の項目については、肺がん患者の呼吸困難の評価に用いられ、呼吸努力感や呼吸不快感、呼吸不安感などの項目が含まれるCancer Dyspnea Scaleを使用した。また、QOLの測定指標としては、包括的尺度で8つの健康概念を測定することが可能であり、信頼性・妥当性も認められているSF-12(スタンダード版)を使用した。質問紙作成にあたり、対象者が呼吸症状を伴う可能性があることから、可能な範囲で回答することができることを考慮し、質問項目数を計60項目とした。 さらに、作成した質問紙を洗練化するために、がん領域の教員および、がん診療連携拠点病院に勤務するがん看護専門看護師5名により妥当性・適切性の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の平成28年度の予定では、進行肺がん患者の呼吸症状や対処行動、QOLに関する文献検討を行い、自記式質問紙を作成することを計画していた。現時点では、文献検討を行い、作成した研究概念枠組みに基づき自記式質問紙を作成している。さらに、質問紙の洗練化のためにがん領域の教員およびがん看護専門看護師により質問紙の信頼性・妥当性について検討を行っているため、概ね順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の予定としては、作成した自記式質問紙を用いて300名の肺がん患者にアンケート調査を行い、症状マネジメントモデルを作成することである。 現在、調査を行うにあたり、倫理審査を受けている。研究倫理審査の結果に伴い、各施設でアンケート調査を開始する予定である。データ入力については、業者に依頼をしている。データ分析結果を基に、症状マネジメントモデルを作成する。作成した症状マネジメントモデルは、がん看護分野の教員とがん看護専門看護師により妥当性・適切性を検討する。
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