2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of residual stress on the properties of relaxer ferroelectric thin films prepared by CSD method on Si
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16H07400
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
新井 貴司 沼津工業高等専門学校, 物質工学科, 助教 (80781244)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | PMN-PT / 薄膜 / 溶液合成 / 応力制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
溶液法による0.65Pb(Mg,Nb)O3-PbTiO3(PMN-PT)前駆体溶液の調整については,0.1Mまでは作製できるが,それ以上の濃度にアルコキシド法ではならないことが明かとなった.これはマグネシウムアルコキシドのアルコールへの溶解度が低いためである.この溶解度を上げるためにダブルアルコキシド法による作製を試みたが,0.1M以上では溶け残ることが明らかになった. 一方で,ダブルアルコキシドとすることで加水分解しやすいマグネシウム及びニオブ,チタンアルコキシドの溶液中での安定性が向上することも判明した.また,PMN-PTの溶液合成においては,前駆体溶液の攪拌時間が重要になることも明らかになった.これは,MgとTiの攪拌時間を長時間行うと,溶液の重合度が大きくなり,薄膜とした場合にクラックの原因になることが考えられる. PMN-PT薄膜のSi基板上での応力制御については,下記の結果が得られた. Si基板上に配向制御層兼電極としてLaNiO3(LNO)を200 nm積層した上に,応力制御層として熱膨張係数の大きな(La,Sr)CoO3(LSCO)の積層数を変化させて堆積させた.この上へPMN-PTを600 nm積層させた.この結果,LSCOの積層数が0層から8層まで増加するにつれて,PMN-PTの残留分極値及び飽和分極値ともに増加した.一方で,LSCOの積層数が8層と10層では強誘電特性に変化はなかった.すなわち,熱膨張係数差による強誘電特性の増加には,ある圧縮応力値以上になるとそれ以上分極値が増加しない,もしくはある応力値以上の応力はPMN-PTに印加されないという重要な知見が得られた.今後,それぞれの薄膜の応力状態をXRD法で調査することで,PMN-PT薄膜における応力と分極値の重要な知見が得られる可能性がある.
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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