2016 Fiscal Year Annual Research Report
大名華族のアーカイブズ資源研究―「下総佐倉 堀田家文書」を素材に―
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16H07408
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
宮間 純一 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (10781867)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 大名華族 / 旧藩 / 近代地域史 / アーカイブズ資源研究 / 佐倉堀田家 / 久留里黒田家 / 秋田佐竹家 / 松代真田家 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近世大名が華族に編制されて以降、各家で作成・取得された文書群の構造分析等を行うアーカイブズ資源研究である。旧大名華族家伝来の文書群の全体構造を明らかにすることで大名華族の各活動の有機的関係を明らかにし、日本近代地域史研究、アーカイブズ学研究の進展と研究の結果得られた成果の社会への還元を目指す。特に、「下総佐倉 堀田家文書」(公益財団法人日産厚生会佐倉厚生園病院所蔵、佐倉市寄託)を主な調査対象として他家との比較を適宜実施する。 当該年度は、佐倉市において研究協力者の助けを得て「下総佐倉 堀田家文書」の調査を計6回行った。主に、既存の目録との照合しながら資料を撮影・分析した。とりわけ、堀田伯爵家の佐倉周辺地域における活動と文書の作成・収受の関係性に注目して、文書群構造の把握に努めた。また、同家の基礎的な活動を知ることができる「家扶日記」を明治期の分について撮影・読解し、近代における同家と地域の関係の大枠を捉えるための作業を行った。 さらに、他の大名華族家の資料調査も適宜実施した。具体的には、旧久留里藩主「黒田家文書」や黒田家の家臣である田原家伝来の文書(君津市立久留里城趾資料館収蔵)、旧松代藩主「真田家文書」(真田宝物館・国文学研究資料館収蔵)、旧秋田藩主「佐竹文庫」(秋田県公文書館収蔵)である。これらの文書群には、華族各家と地域の結びつきを知ることができる資料が残されており、堀田家文書と比較することで各家の特色や類似性を明らかにすることができる。 以上の調査・研究活動から得られた成果の一部を、研究会・講演会等において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「下総佐倉 堀田家文書」については、当初計画していた調査をすべてこなし、研究に必要な基礎データを集積することができた。また、他家の文書群に関しては計画以上に調査対象の範囲を広げることができ、比較のための有用な資料を発見することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度に続き、旧堀田邸および佐倉市史編さん担当、君津市立久留里城趾資料館、真田宝物館等での調査を行い、併行して撮影・収集した資料の研究を行う。 2017年度上半期は、特に堀田家の家政機構・記録管理の在り方について明らかとなる資料の調査を中心に行う。 下半期は、成果公表のための研究活動を主とする。また、成果を市民に還元するための事業について準備・実施する。
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Research Products
(4 results)