2016 Fiscal Year Annual Research Report
森林減少の影響を受けやすい住民の地理的分布を考慮した森林管理方策の検討
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16H07434
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
江原 誠 国立研究開発法人森林総合研究所, 国際連携・気候変動研究拠点, 主任研究員 (70781615)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 森林減少 / 非木材林産物 / 地域住民 / カンボジア |
Outline of Annual Research Achievements |
カンボジア・コンポントム州の森林は、住民の生計維持に不可欠な樹脂、薪、薬、食糧といった非木材林産物(NTFP)の供給源であるが、企業の大規模農園開発や住民の火入れ開墾農業等により減少している。これによりNTFPを採取できなくなった住民の中には、今まで自分が行かなかった森林でこれを採取する、またはその森林を他用途に転用することにより生計の維持を試みる。これらの行為が他者のNTFP採取に必要な森林資源や森林そのものを奪うことになり、その結果、森林減少が止まらないという悪循環が短期間のうちに生じている。こうした悪循環を断ち切るには、森林減少の影響を既に受けた・今後受けやすい住民のために早急な救済・予防措置が必要だが、そうした研究が不足している。 そこで本研究では、NTFP採取において、州内の短期間の森林減少の影響を受けやすい住民の数とその居住地の分布を解明し、彼らのニーズを考慮した森林管理方策を提示することを目的としている。2014年と2016年の二時期の森林分布図を重ね合わせて調査地の森林減少地点を把握し、村や行政上の森林利用区分を考慮した上で、102世帯への訪問形式のNTFP採取・利用に関する質問紙調査を行った。プレイロング野生生物サンクチュアリに近く森林が比較的多く残されている、州東部~北東部に位置するコミューンの世帯群は、現金収入目的として樹脂やタランチュラを、自家消費目的として野草、果実、きのこを多く採取していた。一方、この3年間で著しい森林減少が確認された州南部のコミューンの世帯群は、現金収入目的のNTFP採取は殆どなく、自家消費目的の採取も、果実を除き限定的だった。また、殆どのNTFPは村の半径10km圏内で採取されていることが明らかとなった。今後は、森林減少の影響を既に受けた世帯の属性等を分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、非木材林産物(NTFP)採取にて、森林減少の影響を受けた世帯および今後受けやすい世帯を把握するためのサンプル世帯調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である今年度は、サンプル世帯調査で得られたデータを元に、森林減少の影響を受けやすい住民の地理的分布を予測する。そしてこの予測結果と行政上の森林利用区分図とを重ね合わせ、NTFP採取に生計を依存する住民のニーズを考慮した森林管理方策を検討する。これらの結果を国際学会等で発表し、検討内容の充実化を図る。
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Research Products
(2 results)