2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanical control of molecules at the dynamic 2D interface
Project/Area Number |
16H07435
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
中西 和嘉 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究員 (20401010)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 界面 / 分子構造 / 分子機械 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに,気水界面上で分子にかかる力と分子構造を計測することに成功し,気水界面での力学制御(メカノケミストリー)が可能であることを示している(Angew. Chem.-Int. Edit. 2015, 54(31) 8988-8991.).本論文では光学活性なビナフチルに対して親水基・疎水基を導入した分子が単分子膜を形成し,表面圧に応じた分子変形ができていることを,CDスペクトルの変化より確認している.疎水基がビナフチルの構造変化に与える影響を理解し,自在に分子構造を制御すべく検討を行う中で,疎水基を省いたキラルビナフチルが,脂質マトリクス混合下で気水界面で微結晶を形成し,外部からの力学的刺激により結晶化することを見いだした.力学的刺激前はキラルビナフチルはマトリックス脂質混合下,液相にあり,閉じたcisoid構造をしていることがCDスペクトルから確認できる.力学的刺激後は,マトリックス脂質/キラルビナフチル混合物は圧縮され,混合物中のキラルビナフチルは結晶化する.このとき,結晶中のキラルビナフチルは開いたtransoid構造をしている.結果として,力学刺激によって固体ー液体の相変化を引き起こし,キラルビナフチルを開閉(transoid-cisoid変化)する新たな手法を見いだした.この構造変化は予想外に繰り返し行うことが可能であった.これは,気水界面に生じたキラルビナフチルの結晶がナノサイズの薄さで準安定状態にあることに起因する.マトリックス脂質の構造や,キラルビナフチルとの混合比によって,本現象は変化したが,本質的な挙動,すなわち,気水界面での混合薄膜を圧縮すると結晶化,transoidへの変化を誘起し,また,これを拡張すると元の液状態,cisoidへの変化という挙動は同じであった.さらに,脂質のキラリティーはほとんど関係しなかった.このこの結果を論文に報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子の疎水構造と界面での分子構造の関係を調べ,順調にデータが得られている.その中で,新たな分子構造制御法を見いだした.本来の計画に加え,あたらな知見も加えて研究を進める.
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Strategy for Future Research Activity |
実験で得られた結果をもとに,計算により,現象を理解することを推進する.これまでに,分子動力学計算の専門家と共同研究を行うことで,気水界面の分子構造の理解を深めてきた.次のターゲットは分子の静的な構造ではなく,動きである.この新たな課題に向かい,共同して研究を進める.また,理論計算について,共同研究先のみならず,こちらでも解析できる環境を整えている.予備的な検討を行い,問題点を洗い出しながら,進める.
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Y. Shirai, K. Minami, W. NAKANISHI, Y. Yonamine, C. Joachim, K. Ariga : “Driving nanocars and nanomachines at interfaces: From concept of nanarchitectonics to actual use in world wide race and hand operation”2016
Author(s)
Y. Shirai, K. Minami, W. NAKANISHI, Y. Yonamine, C. Joachim, K. Ariga
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Journal Title
Jpn. J. Appl. Phys.
Volume: 55[11]
Pages: 1102A2-1
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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