2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the separation materials for minor-actinides based on evaluation of the chemical bonding
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16H07439
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
金子 政志 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力基礎工学研究センター, 博士研究員 (50781697)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2017-03-31
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Keywords | マイナーアクチノイド / 化学結合評価 / 密度汎関数法 / 分離変換技術 / 再処理 / 原子力化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
原子力発電サイクルによって生じる高レベル放射性廃液の分離変換技術の開発のために、マイナーアクチノイド(MA)の効率的な分離が求められている。本研究では、MAと類似元素であるランタノイド(Ln)との分離メカニズムを計算化学シミュレーションによって明らかにするとともに、新たにデザインしたMA分離剤の分離パフォーマンスを理論的に予測し、従来の分離性能を上回るMA分離剤を設計するに至った。 まず、計算手法の妥当性を評価した。メスバウアー異性体シフトを用いて、MAおよびLn錯体の化学結合を定量的に評価可能な計算手法を選別した。採用した計算手法は、密度汎関数法と呼ばれる電子状態計算法であるが、特に化学結合に敏感である交換相互作用パラメータの最適化を行うことによって、MAおよびLnの化学結合状態を精度よく再現できることを見出した。 次に、最適化された計算手法を用いてこれまでの溶媒抽出を用いた研究例が豊富であるジチオホスフィン酸、ホスフィン酸を用いてMA/Lnの選択性を理論的に評価した。ジチオホスフィン酸は、LnよりもMA選択的であり、ホスフィン酸はMAよりもLn選択的である。水和イオンに対する錯生成による安定化エネルギーは、溶媒抽出によるこの選択性をよく再現した。分子軌道に基づく化学結合評価を行うことによって、MAはジチオホスフィン酸と結合的、ホスフィン酸と反結合的な軌道重なりを有しており、その結合性を決定しているのはf軌道であることが明らかとなった。 最後に、MA分離試薬を新たにデザインするためにこれまでに実績のある配位子であるTPENを分子修飾し、分離性能を評価した。TPENの骨格にカルボニルドナーとしてアミド基を導入し、MA/Ln分離性能を予測した。その結果、Lnに対するMAの相対的な安定性が、11.2 kJ/molから20.4 kJ/molまで増加し、分離性能が向上する結果となった。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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