2016 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨骨髄炎への応用を目指した新規抗菌性ハイブリッド生体材料の創製
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16H07458
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
村上 馨 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院 歯科口くう外科, 講師 (50778462)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | 抗菌性 / 銀ナノ粒子 / 生体材料 / 骨補填材 |
Outline of Annual Research Achievements |
顎骨骨髄炎を制御するために高い抗菌活性を有する銀ナノ粒子に着目し、銀イオン含有ガラス粉末、還元剤としてグルコースの混合液をオートクレーブすることで、銀イオン含有ガラス界面からの銀イオンの拡散及び還元により均一な粒子径(約5±2 nm)を有する銀ナノ粒子を効率的に合成する方法を開発した。本研究課題では銀ナノ粒子とキトサン等の担体との複合化により生体親和性と骨伝導能に優れた安定したハイブリッド生体材料を創製し、最適な銀ナノ粒子吸着量を明らかにするとともに、in vitroで抗菌活性と細胞毒性を検討する。また顎骨骨髄炎小動物モデルを作製し、組織学的評価を行い、口腔外科領域の新たな抗菌性ハイブリッド生体材料の開発に繋げる。 28年度は生体親和性に優れたナノ多孔性表面構造を有するキトサンやβ-tricalcium phosphate(β-TCP)およびアテロコラーゲンスポンジに銀ナノ粒子を吸着させ、安定的な複合体創製について検討を行い、多孔性キトサンと銀ナノ粒子複合体が強い抗菌活性(Pseud omonas Aeruginosa,Escherichia coli)を有することをin vitroで確認した。 今後はin vitroで多孔性キトサンに加えβ‐TCP、アテロコラーゲンスポンジを担体とした銀ナノ粒子/担体ハイブリッド生体材料の抗菌活性とラット頭蓋由来骨芽細胞の培養系を用いて細胞毒性を評価し、担体への最適な銀ナノ粒子吸着量と添加する銀ナノ粒子の濃度を明らかにするとともに、顎骨骨髄炎治療に最適な銀ナノ粒子の担体を検討し、同時にラット顎骨骨髄炎モデルの作製を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitroにおける銀ナノ粒子複合体の抗菌活性評価および添加する銀ナノ粒子の至適濃度探索のために時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は引き続きin vitroにおける銀ナノ粒子複合体の抗菌活性評価および添加する銀ナノ粒子の至適濃度探索を行うとともにラット頭蓋由来骨芽細胞の培養系を用いて細胞毒性を評価し、担体への最適な銀ナノ粒子吸着量と添加する銀ナノ粒子の濃度を明らかにする。また顎骨骨髄炎治療に最適な銀ナノ粒子の担体を検討するとともに、ラット顎骨骨髄炎モデルの作製を行い、銀ナノ粒子複合体の組織学的評価を行う。
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