2016 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質脱メチル化酵素を標的とした新規分子治療薬の創生
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16H07461
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
金子 修三 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (10777006)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / ヒストン修飾 / NGS解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は国立がん研究センターおよび共同研究者らが提供する、非常に豊富な臨床検体と臨床情報を積極的に活用し、タンパク質レベルにおける網羅的な定量解析、ChIP-seqを用いたゲノムワイドなヒストンマーク情報を取得し、膨大な情報を統合データベースとして構築し、新規バイオマーカーの同定及び分子標的治療薬の創生を目指している。現時点において、共同研究者らが提供する臨床検体を用いて、肝細胞がん(HCC)430例、胆管細胞がん(CCC)85例のヒストン脱メチル化酵素(LSD1)特異的抗体を用いた免疫染色実験を行い、タンパク質レベルにおける網羅的な発現解析を行った。既に病理組織学的解析を開始しており、豊富な臨床情報と照合させて、データがまとまり次第、学術論文として発表する予定である。次に標的酵素(LSD1)の直接の下流遺伝子を同定する。LSD1に関しては、標的とするヒストンマークは既に同定されている為、凍結組織及びFFPEサンプルを用いたChIP-seq法により、ヒストンマークのゲノムワイド情報を取得する。LSD1の病理学的解析、ヒストンマークのゲノムワイド情報、臨床情報を統合させたデーベースを構築し、薬剤効果判定の為の新規バイオマーカーを探索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究者らが提供する臨床検体を用いて、肝細胞がん(HCC)430例、胆管細胞がん(CCC)85例のヒストン脱メチル化酵素(LSD1)特異的抗体を用いた免疫染色実験を行った。既にタンパク質レベルにおける網羅的な発現解析および病理組織学的解析を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度前半までには豊富な臨床情報と照合させて、データがまとまり次第、学術論文として発表する予定である。さらに薬剤の効果を判定するバイオマーカーという観点から、標的酵素(LSD1)の直接の下流遺伝子を同定する。LSD1に関しては、標的とするヒストンマークは既に同定されている為、凍結組織及びFFPEサンプルを用いたChIP-seq法により、ヒストンマークのゲノムワイド情報を取得する。LSD1の病理組織学的解析、ヒストンマークのゲノムワイド情報、臨床情報を統合させて、機械学習を用いた薬剤効果判定の為の教師データを構築する。
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