2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on statistical transformation model in medical data
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16H07465
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
丸尾 和司 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, トランスレーショナル・メディカルセンター, 室長 (10777999)
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Project Period (FY) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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Keywords | Box-Cox変換 / 中央値 / モデル誤特定 / ランダム化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
経時的に観測される歪んだ連続アウトカムを主要エンドポイントとしたランダム化比較臨床試験において,治療群,時点間でアウトカムの分布形状が異なる場合には,単純なBox-Cox変換では変換後のアウトカムの正規性が十分に達成されない恐れがある. 本研究では,そのような状況においても柔軟にフィッティング可能な群・時点間で異なった変換パラメータを許容した,拡張Box-Coxモデルを提案する.また,そのモデルに基づき特定の時点・群のモデル中央値を推測することで,治療効果の差を評価するための方法を開発している.また,このモデルの適用可能性を評価するために,単一変量におけるBox-Cox変換前の分布であるベキ正規分布の柔軟さを評価している. 平成28年度の研究成果は以下のとおりである.拡張Box-Coxモデルにおいては,モデルを構築し,モデル中央値のモデル誤特定を考慮したロバスト分散推定量を導出したうえで,モデルパラメータの推定プログラムを開発し,実データに提案モデルをあてはめた.その結果を2016年度統計関連学会連合大会において招待講演にて発表した.ベキ正規分布の柔軟性の評価については,ベキ正規分布以外のパラメトリック単峰分布(例えば,一般化ガンマ分布や歪形状正規分布など)が真の分布の場合に,誤ってベキ正規分布をあてはめた際の中央値の推定量等の挙動を評価し,この結果を日本計算機統計学会第30回シンポジウムで発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル構築・適用可能性評価ともに国内学会で成果を発表済みであり,構築モデルの評価のためのシミュレーションプログラム作成についても進捗が順調であるため.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度においては,新規モデルと従来モデルを含んだモデル族の中でのモデル選択法の開発と,新規モデルの性能評価を行うためのシミュレーションを引き続き行う.また,ベキ正規分布の柔軟性評価についても,真の分布としてより多くの他のパラメトリック分布を仮定して,結果の一般化可能性を拡充する.これらの結果を別々の論文にまとめ,学術誌に投稿する予定である.
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Research Products
(2 results)