2018 Fiscal Year Annual Research Report
階層構造および教育制度の変化が世代間移動に与えた影響-インドネシアを事例に
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16J00036
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
島田 健太郎 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(PD) (90829178)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 自律的学校運営 / インドネシア / 国際学力調査 / 社会移動 / 世代間持続性 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究は、インドネシアにおける自律的学校運営制度の分析結果についての検証およびその他の格差に関する研究を実施した。自律的学校運営の研究報告を行い、専門家の方々にコメントを頂いた。それらのご指摘に基づき、再分析している。 改善点の1点目は、学校の自律性と学力の負の相関関係の解釈である。自律性変数はの負の相関は、主成分分析による総合指標による事例であり、構成要素ごとに分析を行うと、異なる結果が得られる可能性がある。実際のデータを確認すると、自律性の意味を問う時に、教員の雇用、学校の財源、カリキュラムといった異なる構成要素ごとに権限を持つ主体(校長、教員、学校運営協議会、地方政府、中央政府)が異なっていた。 改善点の2点目はインドネシアの文脈での「自律性」の意味である。国によって「自律性」が高い学校が持つ意味が異なってくる。今後は、インドネシア政府の政策についての調査・研究を行い、その意義について検証する。バンドンやジャカルタに再び赴き、地方政府、中央政府、学校、学校運営協議会など意思決定権限を持つ、それぞれの人達へのインタビューを行い、実態についてのヒアリングを行う予定である。 上記とは別に行なっている研究(世代間社会移動分析、世代間持続性分析)は先行研究レビューを中心に行ってきた。それらの研究の多くは、親と子の社会的威信・階層や賃金格差の不平等に注目しており、教育における二世代の世代間持続性を用いた研究は途上国において希少である。インドネシアで同領域の実証研究は限られており、本研究はそのギャップを埋めることが期待される。同様に、社会移動分析において、教育の効果を途上国にて検証した研究はまだまだ蓄積が足らず、本研究を行う意義があると考えられる。これらの研究は、パネルデータ や擬似パネルデータを用いての分析を今後進めていく予定である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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