2017 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸組成制御が高次脳機能と精神疾患におよぼす影響の解明と健康科学への応用
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16J00187
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大野 博 筑波大学, 人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 脂肪酸 / 脳 / 神経新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はElovl6欠損により認められる様々な表現型の解析の中でも、特に神経新生に焦点を当て、Elovl6欠損マウス、および、脳特異的Elovl6欠損マウスにおいて認められる神経新生低下のメカニズム解明と、それを回復するような脂質の探索を中心に実験を進めた。昨年度の結果より、神経幹細胞培養において、Elovl6欠損マウス由来の幹細胞は増殖に異常を示すことを明らかとしている。そのサンプルを用いてRNA-seq解析をおこなったところ、細胞増殖に重要な複数の因子の発現が変化していることを見出した。また、神経幹細胞培養系にある種の脂肪酸を添加することにより、Elovl6欠損により認められる神経幹細胞の増殖の異常がコントロールの神経幹細胞と同程度まで回復することを発見した。さらに、この脂肪酸を多く含む食用油を添加した餌を妊娠したマウスに摂餌させ、離乳まで餌を与え続け、離乳したマウスの海馬歯状回における神経新生をEdUの取り込みにより評価したところ、通常餌で認められるElovl6欠損マウスの神経新生の低下が回復した。今後、これらの因子、脂肪酸を中心に、リピドミクス解析、メタボローム解析等のオミクス解析をおこなうことで、今回見出した脂肪酸がどのような脂質に取り込まれているのか、さらに、どのような分子メカニズムでElovl6が神経新生を制御しているのかを明らかにする。また、神経新生の回復が脳機能へ与える影響も同時に検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitro, in vivo両方の系において、Elovl6欠損マウスで認められる表現型を回復するような脂肪酸を見出し、分子メカニズムに関する解析も進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Elovl6欠損マウスと、脂肪酸補充により表現型の回復が認められたサンプルを対象とし、リピドミクス解析などのオミクス解析をおこない、どのような脂肪酸分子種が特に重要なのかを特定し、さらに、分子メカニズムの解析を進める。
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