2016 Fiscal Year Annual Research Report
Bodily self in pain and psychopathology: mechanisms and clinical applications
Project/Area Number |
16J00411
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今泉 修 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 自己 / 身体 / 義肢 / 姿勢制御 / 主体感 / 時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体や運動にともなう自己感覚について2つの研究をおこなった。
1)道具を使い続けると,それが身体の一部となったかのように行動が変わることがある。これを身体化という。上肢切断者の義手も身体化する。身体化した義手が上肢運動を変えることは知られていたが,本研究では未知であった全身運動への影響を調べた。義手をよく使う切断者群と,ほとんど使わない切断者群において,義手の有無によって立位姿勢制御がどのように変わるかを調べた。結果,義手をよく使う群は義手をつけると姿勢制御が安定する一方,ほとんど使わない群では義手をつけると姿勢制御が乱れることが示された。また,よく使う群では義手が姿勢制御を助けているという感覚が強いことが質問紙から示された。これらの結果は身体化した義手が全身運動制御を助けることを示唆しており,身体化の心理学およびリハビリ研究の基礎知見となることが期待される。
2)主体感 (自己が行為をしているという実感) の先行研究では顕在指標と潜在指標が測定されてきた。顕在指標として主観評定が,潜在指標として身体運動と感覚フィードバックの時間間隔を誤推定する量が用いられてきた。しかし顕在・潜在指標が同様に主体感をとらえているかについては論争が続いていた。本研究では,健常者を対象として,顕在・潜在指標を同一の課題で測定しつつ,これらの指標が実験的操作たとえば運動とフィードバック間の遅延量によって同様の変動を示すかを検証した。結果,顕在・潜在指標は,弱く相関し,遅延の増減に応じて同様に変動することが示された。この結果は,顕在・潜在指標はともに主体感を測ったり運動-感覚入力の時間的一致性に基づいたりするものの,異なる経路に由来するため強く相関するとは限らないことを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
身体化した義手が姿勢制御を助けることを示したり,主体感の顕在・潜在指標の特性を検証したりしたが,予定していた精神病理的性格傾向と主体感の関連の検討が進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
主体感を測る心理実験と質問紙法・気分誘導法とを組合せて,精神病理的性格傾向と主体感の関連を検討する。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Visual acuity, color discrimination, and quality of life in patients with cataract: towards a comfortable lifestyle2016
Author(s)
Chen, P., Imaizumi, S., Lin, D. P., Kure, S., Koyama, S., Hibino, H.
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Journal Title
International Journal of Affective Engineering
Volume: 15
Pages: 335-342
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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