2017 Fiscal Year Annual Research Report
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16J00906
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 雄太 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 加法的整数論 / 素数分布論 / Hurwitz zeta / 友愛数 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度3月から今年度5月までフランスのLille第1大学のGautami Bhowmik氏のもとを訪問して共同研究や情報交換を行った。Bhowmik氏に加えKarin Halupczok氏および松本耕二氏との共同研究により、合同条件付きGoldbach予想の平均的挙動に関する研究が一旦の完成を見た。共同研究では主に藤井型明示公式のBhowmik氏とSchlage-Puchta氏の方法による導出を担当した。 また遠藤健太氏との共同研究により、東京理科大学の中村隆氏によって提出されていたHurwitz zeta関数の実零点に関する問題を解決することに成功した。鍵となるアイデアは、L関数論において一般的なmollifierの技法のtoy versionであるように見える。問題の解決のみならず、実零点に関するより詳細な情報を引き出すことにも成功した。周辺の研究者に我々の手法がどこまで通用するか訊ねられる事が多かったが、比較的ad hocなトリックに基づいており、拡張へ向けてはよく分からない点が依然として多く、さらなる研究が必要かもしれない。 さらに、自身にとって比較的新しい研究テーマとして友愛数の研究を行った。この友愛数に対して、Gmelinによる「互いに素な友愛数は存在しないであろう」という予想があるが、このGmelinの予想に関するPollackのupper boundを改善することに成功した。特にPollackによる「奇数の完全数に対するHeath-Brownの手法はGmelinの予想に適用可能か?」という問題に肯定的な解答を与えることが出来た。しかし同時に数値計算によりHeath-Brownの手法の効力は限定的であるという観察も得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
例外集合そのものに関してではないものの、素数の加法的問題に対する藤井型明示公式について理解が深まった。素数の加法的問題における明示公式の応用の研究に繋がることが期待できる。また同じく加法性による難しさを含む友愛数の問題に対して新たな結果を得ることが出来た。昨年度に続き、専門的な技法を深めつつ視野を広げることができたので、本研究は順調に進展しているといえるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
数論的関数を含むような指数和のWalfisz型評価について新たな知見が得られつつあるので、この研究をより整理する。また最近、Matomaki-Radziwill-TaoによるGoldbach予想の研究およびPintz氏の明示公式の詳細が発表されたのでこれらの理論を習得し応用および発展を目指す。
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Research Products
(16 results)