2017 Fiscal Year Annual Research Report
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16J01020
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山内(石川) 祐 筑波大学, グローバル教育院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | マウス / 受精 / 雌性生殖器 / 卵管収縮 / 精子遡上 / 初期胚輸送 / 卵管収縮因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)昨年度から継続して、卵管収縮による初期胚の卵管内移動を検討した。交配後経過時間毎にマウスから卵管を摘出し初期胚の局在を調べたところ、交配後24時間から42時間で卵管膨大部から峡部へと移動し、42時間から60時間まで峡部に滞留していたことが分かった。卵管上皮細胞に発現していると報告された血管収縮因子エンドセリンの拮抗薬を投与すると、初期胚輸送の遅延が認められた。今後は卵管移動から子宮到達までの一連の現象が卵管収縮によってどのように制御されているのか分子機構にも着目して解析を行う予定である。 (2)ex vivoで卵管内の初期胚移動を可視化するために、卵管の長時間培養系を確立した。ライブイメージングでは初期胚移動時の卵管に蛍光ビーズを注入し、時間経過とともにビーズの動きを観察した。その結果、卵管収縮によってビーズが卵管中間部(膨大部-峡部)から峡部側に移動していくことがわかった。 (3)本研究員の研究から、卵管内の精子遡上には卵管収縮が重要な役割を果たしていることが示唆された (Ishikawa et al., Biol Reprod, 2016)。そこでどのような分子メカニズムで収縮が制御されているかを明らかにするために、精子の遡上が行われる排卵時のマウス卵管から新規卵管収縮因子の同定を行った。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて卵管液を分画し、構築したバイオアッセイ系で検討した結果、いくつかのフラクションが収縮活性を示した。また、同時期の卵管を用いてマイクロアレイを行った結果、収縮に関与する因子の存在が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に準じて、3項目の研究を行った。初期胚輸送に関する研究においては、ライブイメージングを中心に実験方法を確立させ、動的な視点から卵管内の挙動を理解しようと試みている。また、卵管収縮因子の探索は相当な困難があるものと推測していたが、バイオアッセイ系を確立させていくつかの候補因子を同定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)、(2)初期胚の卵管移動から子宮到達までの一連の現象が卵管収縮によってどのように制御されているのか分子機構にも着目して解析を行う。また初期胚を模倣した蛍光ビーズの観察から、初期胚および卵管内液の軌道解析を進めていく。 (3)HPLCおよびマイクロアレイのデータをもとに、精子遡上時の卵管収縮を制御している因子の決定を行い、因子の機能解析に取り組む。
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Research Products
(4 results)