2017 Fiscal Year Annual Research Report
演算加速器を有する計算機クラスタ向け固有値解法の並列実装に関する研究
Project/Area Number |
16J02020
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
矢野 貴大 筑波大学, システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | 固有値問題 / 固有値計算 / Sakurai-Sugiura法 / 並列計算 / Krylov部分空間反復法 / 大規模計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究課題3.を達成するために,ナノシミュレーションにおいて現れる大規模な密エルミート一般化固有値問題に対し,大規模Xeon Phi(Knights Landing,KNL)クラスタOakforest-PACSにおける周回積分型固有値解法の適用,および性能評価を行うことを目的に研究を行った. 研究課題1.について,前年度の成果であるGPUクラスタ向け分散メモリ並列な行列-複数右辺ベクトル積のKNLクラスタ向け移植を行った.また,複数右辺ベクトルのデータ保持形式を使用して,直交化手法であるCholesky QR法の実装を行った.これらを利用してKrylov部分空間反復法の一種であるBlock BiCGrQ法の実装を行った.分散メモリ並列数値計算パッケージScaLAPACKの直接法による連立一次方程式ソルバであるPZGETRFおよびPZGETRSと提案法を,周回積分型固有値解法で現れる連立一次方程式に対して適用した.Oakforest-PACS上で性能評価を行い,特に多数ノードでの実験において提案法が高速であることを確認し,学会で口頭発表を行った. 研究課題3.について,Sakurai-Sugiura法のパッケージz-Paresに前述のBlock BiCGrQ法を組み込むことで,KNLクラスタにおける分散メモリ並列な一般化固有値問題解法を実現した.ナノシミュレーションにおいて実際に現れる行列に対して,ScaLAPACKのエルミート一般化固有値問題向けソルバであるPZHEGVXと提案法を適用し,性能評価を行った.PZHEGVXの多数ノードでのスケーラビリティを確認し,少数ノードでの提案法の実行結果から多数ノードでの計算時間の見積もり,多数ノード時にはPZHEGVXよりも高速になる可能性が示された.この成果に関して,国際会議SIAM PP18にて口頭発表を行った.
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)