2016 Fiscal Year Annual Research Report
1分子イメージングによるヒトRISC形成の素過程解析
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16J02134
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪山 幸太郎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | RNAサイレンシング / 1分子イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
当初解析を予定していたヒトAgo2について、非特異的なsmall RNAとの結合が生化学的に観察され、1分子観察における本タンパク質の解析は困難であると示唆された。その為、1分子観察の実績のあるハエAgo2を用いて、そのタンパク質自体の構造変化の観察を試みた。 近年、多くのAgoが共通して、RISC形成にHsc70/Hsp90シャペロンマシナリーを必要とすることが明らかとなった(Iwasaki, Mol. Cell 2010, Iki, Mol. Cell 2010, Miyoshi, NSMB 2010)。さらに、in vitro再構成系と1分子イメージングを用いて、ショウジョウバエAgo2のRISC形成過程を解析した研究が受入研究室より発表された。ここでは、RNA2本鎖を含む複合体とAgoがシャペロン非依存的に短時間の結合と解離を繰り返すことや、シャペロンの作用点が明らかとなった(Iwasaki, Nature 2015)。しかし、RISC形成を通じてこのAgo自体がどのような構造変化を受けているかについての知見は乏しい。そこで、Agoの異なる2箇所に蛍光色素を導入し、1分子イメージングを用いて蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の効率変化を観察することにより、特に2本鎖RNAを積み込む際、Agoにどのような構造変化が生じているかについて観察することとした。 現在までに、他研究室からの報告(A. Bianco, Nat. Chem. Biol., 2012)を参考に、ショウジョウバエS2細胞において効率良く非天然アミノ酸を導入する方法、及びこの残基に蛍光色素を導入する方法を、受入研究室において確立した。合わせて、様々な部位に蛍光色素を導入しその活性を測定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
真核細胞において、その発現タンパク質に非天然アミノ酸を導入する方法、並びにその残基に蛍光色素導入を行う方法を当研究室にて確立し、目的タンパク質にその活性を保ちながら蛍光色素を導入出来たことは評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は具体的に以下のような観点から研究を行っていく予定である。 ・ 実際の1分子解析により、どのようなAgoの構造変化が生じているかを観察する ・ 完全再構成系をもちいて、どの因子がどのようなAgoの構造変化を生んでいるのかを観察する これらの観察を通じ、RISC形成において提唱されていた仮説を具体的に検証する。
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