2018 Fiscal Year Annual Research Report
果実的野菜中成分の変動機構の解明に基づく新規加工技術の開発
Project/Area Number |
16J02189
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金房 純代 九州大学, 工学研究院, 助教
|
Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
|
Keywords | 交流高電界処理 / 破砕 / 香気成分 / 加熱殺菌 / 多変量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、スイカピューレの交流高電界処理が香気成分に与える影響について研究を行った。スイカは収穫時期が短く通年での利用が難しい果実的野菜であり、破砕、搾汁などの物理的加工時の組織内酵素による機能性成分の分解や脂質酸化によるウリ臭の発生、保存時の果肉などの固形成分の分離、機能性成分の保存性が問題となる。また、加熱殺菌処理が、加熱臭の発生や成分の熱変性などの問題となることがある。そこで今年度は、不快臭抑制、機能性成分の保持、殺菌を目指したこれまでの検討結果を元に、破砕、加熱や電気的加工処理を適切に組み合わせることで機能性成分を保持した高品質かつ安全性の高く生果に近い品質のスイカピューレの加工方法の開発を目指した。1年目の結果より、スイカは超高速フードプロッセッサーにより破砕した。さらに、野菜への電気的加工が、生果の香りや不快臭の発生に与える影響を明らかにするために、交流高電界処理ならびに湯浴での従来加熱処理後のスイカピューレの香気成分をGC-MSを用いて測定した。交流高電界処理は、通常の殺菌方法よりも加熱時間を1/100に短縮可能であり、熱に弱い成分の劣化が抑えられると期待され、鮮度を保持した殺菌方法として実用化された技術である。GC-MS測定データの多変量解析によるスイカ中の香気成分の変動機構を解析したところ、スイカの典型的な新鮮な風味を表す成分は、加熱温度を上昇させるほどに減少したが、交流高電界処理では従来加熱よりも保持することが可能であることが明らかとなった。また、脂質酸化による香気成分は加熱温度を上昇させるほどに増大したが、交流高電界処理では従来加熱の7分の1にまで低減可能であることが明らかとなった。 本研究により、物理的加工と電気的加工技術を組み合わせることにより、スイカやイチゴなどの果実的野菜中の香気成分、繊維、ビタミンCなどの機能性成分の変動機構の一端が解明された。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|