2017 Fiscal Year Annual Research Report
小地域における平均と分散の同時縮小推定法とその応用
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16J02424
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
玉江 大将 東京大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 欠損データ / 事後分布のpropriety / トリガンマ関数の近似 / モーメントの差分 |
Outline of Annual Research Achievements |
採用二年度目となる本年度に於いては、下記の研究を行なった。1. "Nested Error Regression Model with Non Ignorable Missing Values" 2. "ガンマ分布関連の形状パラメータおよび自由度の推定について"。 前者に於いては当該研究についての学会である2017年6月にパリで行われたSmall Area Estimation 2017で口頭発表を行い、この分野において著名なLahiri教授より実データ分析に於いて保有するデータから欠損を行なった上で分析を行うべきであることなど有意義なコメントをいただいた。また、2017年12月にロンドンで行われたConference on Computational and Financial Econometrics 2017の場でも本研究に関する発表を行い、Chairから数値実験について取り組むべき課題について言及を受けた。 後者の"ガンマ分布関連の形状パラメータおよび自由度の推定について"は、同時縮小推定法を考える上で必要となった研究となる。ガンマ分布のMLEは解析的な解を得ることができず、またモーメント法についてはMLEに比べて精度が落ちるという問題があった。それに対し、MLEを近似し、ほぼ同等の制度を担保する推定料を構築しその理論的性質を詳しく解析した、本研究についてはdiscussion paperの形にまとめてある上で現在国際査読誌から投稿後reviewをいただいた段階である。本研究に関しては2017年9月に名古屋で行われた日本統計学会の場で発表を行い、特にMLEが解析的にもとまらない代わりの近似手法とした上で、計算速度の比較や数値実験のパフォーマンスについて追加的な課題を座長より言及いただいた。 上記の2つの研究に関しては、国際査読誌に投稿予定・投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現状の結果として、昨年度の実績である"Sugasawa, S., Tamae, H. and Kubokawa, T. (2017). Bayesian estimators for small area models shrinking both means and variances. Scandinavian Journal of Statistics 44, 150-167."にくわえ、本年度の実績である1."Nested Error Regression Model with Non Ignorable Missing Values" 2. "ガンマ分布関連の形状パラメータおよび自由度の推定について"と、当該研究の分野における3つの研究テーマについて進捗を出した。欠損データを考慮したモデルは小地域推定法に於いて従来存在しておらず、またガンマ分布の形状パラメータの推定が解析的に行えるようになるなど理論・応用の両方についての研究を進められた。当初の予定では3つの研究について3年をかけてまとめる予定であったが、現状において取り組んでいる二つのテーマもまとまる直前の段階であるため当初の計画以上の進展をしているという判断を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に於いては、取り組んでいる2つの研究についてのまとめを行うとともに、新たにresponce variableが2値変数の場合の統計モデルの構築とその理論的解析を行う予定である。本領域においては他にもunit levelでデータが取得可能な場合における同時縮小推定モデルをフルベイズの枠組みで構成するなど様々な方向性が考えられる。 このようなテーマについて、7月にバンクーバーにて行われる2018 Joint Statistical MeetingsやConference on Computational and Financial Econometrics 2018の場で発表を行い、積極的に海外の著名な研究者からのフィードバックをいただきながら適宜修正を行なった上で国際査読誌への掲載を目指していく。
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Research Products
(4 results)