2016 Fiscal Year Annual Research Report
高温フォトニクスによる太陽熱光起電力発電システム ~世界最高効率達成への挑戦~
Project/Area Number |
16J02560
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小桧山 朝華 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | 熱光起電力発電 / 熱ふく射 / 波長選択 / 熱ふく射スペクトル制御 / エネルギー変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱ふく射の波動性を利用した技術(=熱ふく射スペクトル制御技術)は様々なエネルギーシステムの効率向上が期待されるが、高効率エネルギーシステムへの展開は不十分である。本研究では、高温フォトニクス技術を用いて、熱ふく射スペクトル制御技術を応用させた高効率な太陽熱光起電力発電(Solar-Thermophotovoltaic : Solar-TPV)システムの開発を目的としている。 今年度の研究では、高効率達成のためのSolar-TPVシステム設計指針の確立と設計指針に基づく基盤技術開発及び発電実証試験に取り組んだ。具体的には、“熱ふく射のスペクトル制御”と“熱ふく射の一方向への輸送”の概念に基づいた熱ふく射の変換・輸送効率を新たに提案し、Solar-TPVシステムの全体設計を行った。設計指針構築においては熱ふく射の輸送・変換効率の向上が及ぼすシステムの発電効率への寄与を定量的に明らかにした。また構築した設計指針に基づき、太陽光選択吸収材料と波長選択エミッタの設計を行った。設計後は実際に作製を行い、より高い熱ふく射の変換・輸送効率を得るため面積比を持たせ、太陽光選択吸収材料からの反射・放射損失を抑制した結果、熱ふく射の輸送・変換効率54%、光電変換効率28%が期待できる太陽光選択吸収材料および波長選択エミッタの設計と作製に成功した。作製した太陽光選択吸収材料、波長選択エミッタ、ガリウムアンチモン光電変換セルを用いた発電試験では、世界トップレベルの発電効率5.1%の実証に成功した。 本成果に関して申請者は学術論文を執筆するとともに、プレスリリース発表を行うなどして多くの研究者の関心を集めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は高効率Solar-TPVシステムの開発を目的としている。今年度の研究では、当初の研究計画にはなかったSolar-TPVシステム高効率化のための設計指針の構築を行っており、構築した設計指針に基づき発電効率の実証に成功した。また、本研究で実証した発電効率は世界トップレベルの成果である。以上より、当初の計画以上に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、構築した設計指針に基づき、より高い熱ふく射の輸送・変換効率を有する太陽光選択吸収材料と波長選択エミッタの作製に取り組む予定である。また、作製した太陽光選択吸収材料と波長選択エミッタを用いて、世界トップの発電効率の実証及び高効率Solar-TPVシステムの開発を目指す。
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Research Products
(6 results)