2016 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国の教育の質の向上における学校効果の指標~マラウイを例として
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16J02573
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
谷口 京子 名古屋大学, 国際開発研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 学校効果 / 教育の質 / 発展途上国 / マラウイ / 初等教育 / 学力 |
Outline of Annual Research Achievements |
4月から8月にかけて、本年度のテスト問題と質問紙の作成するために、これまで研究者が実施してきたテストと質問紙の分析を行った。テスト問題については、項目反応理論を用い、テストのレベル、項目一つ一つの困難度と識別度を算出した。これをもとに、もう一度使用する問題を選択した。また、新たに、他の問題を教科書・過去の国家試験問題と国際学力調査の問題から選択した。これまで、英語と算数のみ実施していたが、マラウイの公用語であるチェア語とライフスキルの科目を追加した。質問紙は、児童・教員・校長の3種類を作成した。これまで実施してきたものの分析結果をもとに、いくつかの問いを削除した。また、先行研究をもとにいくつかの問いを追加した。欠損値を少なくするために、できるだけ回答しやすい質問紙を作成するように心がけた。 また、現地調査の計画と準備を行った。現地調査の内容、調査時期、研究対象者などを決定した。本研究は、少なくとも3年間、同じ児童を追跡するため、1年目の研究の対象者の選択が重要である。これまでは研究対象国、マラウイの北部の一県を対象としていたが、本研究では三県に拡大した。昨年の現地調査から得た県ごとの合格率と地域の特性を考慮し、3県(ンカタベイ県、ムジンバ県、ドウワ県)を選択した。 9月から10月にかけて、マラウイで現地調査を実施した。作成したテストと質問紙をまず1校で試し、修正し、選択した3県27校で実施した。調査は30校を予定していたが、これまでと比べて、3県に拡大したため、予想以上に時間がかかったこと、予定していた日に児童がなくなり急に葬式なったことや、学校側と意思疎通がうまくいかず調査ができなかったことから、27校となってしましった。 現在、現地調査で得たテストと質問紙の整理中である。できるだけ早く分析できる状態にし、本年度の現地調査までに結果を出して、修正が必要な箇所を見極めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究一年目にあたる本年度は、おおむね計画通り進展している。テスト問題と質問紙を作成し、現地調査を実施することができた。研究の成果を複数の学会で発表し、論文も学会誌に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、(1)現地調査から得たデータの整理、(2)データの分析、(3)研究成果の公表、を実施し、(4)次年度の現地調査の計画・準備・実施を実施していく予定である。(1)現地調査から得たデータの整理と(2)データの分析は4月から6月にかけて行い、(3)研究成果の公表は、6月に実施される日本国際開発学会や日本比較教育学会において、研究成果を発表する。また、同時に、論文を作成し投稿していく。 (4)次年度の現地調査の計画・準備・実施に関して、7月から8月にかけて、計画・準備を行い、9月から10月に実施していく予定である。
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Research Products
(7 results)